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【エッセイ】文学界のレノン&マッカートニー

僕はビートルズが大好きで、レノン&マッカートニーのソングライターチームが大好きです。

彼らには様々な魅力がありますが、近しいモチーフをそれぞれが対照的なアプローチで表現するのも魅力のひとつだと思います。
「we can work it out」なんて象徴的な曲だなと感じます。
すごく硬くいうと「共生」がテーマですが、
ひたすら明るいポールの作風と、対照的なジョンの作風が見事に調和した名曲です。

彼らの様に実際に共作していなくても、
作品同士が対照的で響き合っているアーティストは結構いるかもしれません。
僕が特に思い入れがあるのは、
作家の村上春樹と村上龍です。
文学界のレノン&マッカートニーだと思って、お二人の作品を楽しんできました。
何気ない日常を機知に富んだ文章で綴り、時にそんな日常と非日常との繋がりを象徴的に描き出す村上春樹の物語と、 
極端な場面設定を圧倒的な筆力でねじ伏せ、時に反社会的なテーマを織り込む村上龍の物語。
どちらも押しも押されぬ大家ですが、徹底してマイノリティの視点を保持し続けています。

そんなお二人が今年久しぶりに長編を発売するようですね。
どちらももう70代。
こんなピッタリ同時期に長編作品が発表されるのは、あと数える程かもしれません。
お二人の作品はまた見事に響き合うのでしょうか。
今からとても楽しみです。

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