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ジム・ロジャースに学ぶコロナ危機

ジョージ・ソロスと組んで1970年にクオンタムファンドを立ち上げたジム・ロジャーズは、1970年から1980年までの間に、S&P500の純利益が50%未満であったのに対し、4,200%という驚異的なリターンを達成するのに貢献しました。このような業績を再び再現することを期待して踏み留まる他の多くの投資マネージャーとは異なり、ジム・ロジャーズは1980年に正式に引退しました。ジムの引退後の生活には、冒険投資家などとして知られる世界一周旅行を含む広範囲な旅行、様々な本の執筆、個人投資などが含まれていました。このようなユニークな人生を送ってきたジム・ロジャーズは、世界で最も興味深い投資家の一人と言え、彼の視点や豊富な経験は他の追随を許しません。


ブルームバーグによると、今後数年間は生涯で最悪の弱気相場になると予想しているといいます。ロジャーズ氏は、世界的な債務の膨張が依然として問題であると確信しており、これは長年にわたって警告してきたことです。彼はまた、金利が上昇に向かうと確信しており、それが負債保有者にさらなる圧力をかけることになるだろうと言っています。しかしながら、11月の米大統領選挙までは株式のラリーが続く可能性も述べています。世界中の政府が莫大なお金を刷っているからです。

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ロジャーズ氏は、COVID-19が世界経済に与えた影響は大恐慌以来のものであると述べています。ただ、これは一時的なものであり、世界は立ち直るだろうと彼は考えています。しかし、ロジャーズ氏は、2008 年の危機後に始まった世界各国の財政・金融 刺激策による世界金融システムの不安定化の方を心配しています。ロジャーズ氏は、当時は「実験」と言われていたことが、近視眼的な政治的意思決定により、長期的影響を考えずに継続されていることに、長年警鐘を鳴らしています。1920年、イギリスは最も裕福な国でしたが、放漫な財政と債務の膨張で、覇権国から転落しました。放漫財政の国家は必ずどこかで痛い目にあいます

FRBに対しては?

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FRBに対しては、完全に頭がイカれていると述べています。FRBのバランスシートは 2008年以降 500%上昇し、さらにそれを2倍にしようとしています。もちろんこうした借金を返済していくのは子供達の世代です。

借金は、誰かが支払わなければならない、お金を印刷し続けることはできません。お金を印刷して、印刷して、印刷して、印刷して、印刷して。。。いつか誰かが、「ちょっと待って、このゲームはもうやらない」と言い、大暴落が起こるのです。「貨幣を印刷することは、株や債券にとって悪いことではないが、実物の価格に影響を与える」と彼は言います。「だからラリーは続くと思うが、最終的には終わり、新たな安値を迎えるだろう」

日本の対応

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ロジャーズ氏はBusiness Insiderで日本についても述べています。日本の株式市場では、政府が失敗した企業を退場させる代わりに企業を救済し続けています。日銀では、毎日印刷機を全力で回し、今までは債券やETFを買っていましたが、今は株を買っています。株式市場を上げるためだけにです。日本の国民のために、それを行なっていると政府は言いますが、実は私たちの子や孫に借金を負わせているのです。選挙のためにやっているとは決して言いません。優秀な政治家は何が何でも当選しようとし、あなたの子供のことは気にしません。その結果、恐ろしい代償を払うことになります。

最近の投資は?

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中国のワイン会社、ロシアの海運会社、運送会社、金と銀に投資をしたと述べています。中国やロシアに対しては、寛容的で、悪くない仕事をしていると述べています。韓国には強気で、南北併合がなされれば、大きなビジネスチャンスが訪れると述べています。

そして投資家へのアドバイスとしては、これまで同様、自分が知っていることだけに投資することだ、と述べています。自分が知っていることにとどまっていれば、どうすればいいのかがわかるようになる。他の人の話は聞いてはいけないと。

最近、下のような書籍も出しています。ただ、これはジム・ロジャーズが書いたものではなく、これまでのジム・ロジャーズの発言を編集したものですので、注意が必要です。



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