半年間のタクシー勤務で得られた成果

コロナ禍のため「相乗り通院サービス」の事業は停止中ですが、活動再開に向けて事業計画のブラッシュアップや裏付けデータの収集・整理を行っています。今回、2020年8月~2021年1月まで半年間のタクシー運転手勤務で得られた成果について整理してみました。

タクシー業務の流れ

最初にタクシー業務の大まかな流れを紹介します。

タクシー運転手は出勤時にアルコールチェック、体温チェック等を行い、担当車両の点検を行った後、乗務を開始します。

新発田市のタクシーはいわゆる”流し”はしません。歩行者が少ないからです。タクシーは決められた場所(主に新発田駅と繁華街”新道”)に待機して乗客を待ちます。新発田駅では電車の降車客、新道では配車センターからの無線指示(電話予約客)を待ちます。どちらで待機するかは運転手の自由です。私は高齢者狙いなので新道待機専門でした。

勤務終了時間の40~50分前に事務所に戻って、洗車、運転日誌の整理・集計、現金の精算、等を行って勤務終了となります。

勤務時間は夜勤を含む5パターンあり明休を含めて6日間で一回りするシフト勤務になります。

後期高齢者の送迎のべ回数

タクシー会社では運転日誌の記入結果と現金の精算結果が一致することを日々確認します。よって、過去の運転日誌を見れば日時、乗車地降車地、乗客名、運賃、決済方法が分かります。

しかし、これだけでは乗客の年齢が分かりません。そこで私は個人的に記録していたお客様情報(単語帳)と運転日誌の記録を突き合わせて後期高齢者と思われるお客様だけをカウントすることにしました(私の主観での判断になります)。

写真1(単語帳1)

写真2(単語帳2)_2

中心地区と周辺地区の利用回数の比較

以前、「中心地区に比べて周辺地区の高齢者のタクシー利用は1/9」という投稿をしました。

今回のべ回数でカウントしたところ、その差は1/10以下でした。

写真3(中心地区と周辺地区の比較)

後期高齢者の人口としては中心地区(7,021人)に対して周辺地区(8,539人)と多いにも関わらず、タクシー利用のべ回数は周辺地区が極端に少ないという結果が得られました。

キャッシュレス決済の利用回数

クレジットカードを含めてキャッシュレスで決済した後期高齢者は271回中”0回”でした。この結果は意外でした。スマホ決済は難しいとしてもクレジットカード利用者は多少いるのでは、と思っていたからです。

太陽交通新発田中央(株)では車両後部座席にジャパンタクシーの決済タブレットを設置しています。

写真4(決済タブレット)

私の想像ですが、キャッシュレスの場合は自分でタブレットを操作する必要があるため、その操作が敬遠されたのかもしれません。いずれにしても新発田市における後期高齢者のキャッシュレス決済普及率はまだかなり低いと言えます。

最後に

以上、半年間のタクシー運転手勤務で得られた定量的成果をまとめてみました。当時を思い返して今思うことは、タクシー無しでは生活が成り立たない後期高齢者が大勢いるという現実です。「相乗り通院サービス」がそのような方々の助けになれば、とあらためて思いを強くしました。

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