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算数力を伸ばすには?

こんにちは。初めまして。
「ドリさん(@drill_sansu)」と申します。

2022年1月より、中学受験の算数力を鍛える「ドリる算数」を開発、運用しております。
現在、ユーザー数は現在約1000名、解答数も50万件を超えました。
開発者として嬉しく、より良いコンテンツを提供できるよう、一層頑張りたいと思います。
そして、今後はNoteでの発信もやっていこうと思います。

初めての記事ですので、まずは経歴の紹介からさせてください。

私は、関西の塾で中学受験専門の算数の講師を勤めておりました。
4,5,6年生のクラス担任や教材作成・模試作成・保護者会での登壇を経験。
その中で、「アナログな部分」を改善したくなり退職に至りました。退職後は、プログラミングスクールに通い、エンジニアになりました。
そして現在は、本業傍ら、ドリる算数の開発を通じて中学受験算数の世界をより良くすることを考えております。


さて、ここからが、本日の本題です。

算数力を伸ばすには?

最初に、結論を言います。
算数力を伸ばすには、

「自分で手を動かし、自分で考える。」習慣をつける。

これだけです。

算数の成績が伸びる生徒は、
自分で図や表を書いて答えを求めたり、解説とは違うやり方を考えたりします。解説はあまり見ないようにして、自分で考えようとします。
解説しようとすると、「待ってまだ言わないで!」と言います。
できる限り自分の力で答えを出すことに夢中です。

一方、

算数の成績に伸び悩む生徒は、
自分で手を動かさずに最初から諦めたり、式の意味は考えずに、問題を解いたりします。解けない問題は、解説をすぐに見て覚えようとします。「思い出す」ことで問題を解くので、「どうやって解くのか忘れた。」と言います。そして、解説を見て、解き方を「覚える」ことを作業をします。

いかがでしょうか。
思い当たることはありますでしょうか。


「自分で手を動かし、自分で考える」とは?

今度は「自分で手を動かし、自分で考える」について、具体的に説明します。

例として、植木算の指導方法について考えてみましょう。

問題
長さ30mの真っ直ぐな道に、5mおきに木を端から端まで植えます。
このとき、木は何本必要ですか。

ちなみに、テキストには
真っ直ぐに植える(両端を含む)パターン・・・木の本数 = 間の数 + 1 
と書いてあります。

あなたが、塾講師だとして、植木算を初めて見る生徒にはどう教えますか?
少し考えてみてください。





どうでしょう?
まずは、公式の意味を説明して…と考えたあなた。
教えては、ダメです。
生徒の「自分で手を動かし、自分で考える」機会を奪うことになるからです。

ここは、いきなり生徒にやらせるのです。
すると、生徒の誰かが「答えは6 !!」と叫びます。

すかさず
「ありがとう!でも、ざんねん! 図を書いてよく考えてみて!  今度は、答えは言わないで各自で解いてね。正解が分かったら教えて! ノートを見て回ります。」
と伝えます。

そうすると、生徒はそれぞれ図を自分で描き、正解を導きます。

そして、みんなが正解した後に、公式を伝えます。
すると「そんなの当たり前じゃん!」という反応が返ってきます。

この調子で、池の周りのパターンや、電柱の間に植えるパターンなど、公式を教えずにやらせます。
生徒たちは、公式を知らないまま、どんどん問題を正解していきます。

このように、公式やテキストの解説などに頼らず、自分で図を書き考えることが、「自分で手を動かし、自分で考える」ということです。
このような学習姿勢で各単元の理解を進めると、自分の中の「当たり前」が増えていきます。

そして「当たり前」は、応用が効きます。

例えば、等差数列の単元で、
N番目の数 = 最初の数 + 公差 × (N − 1)
という考え方を教えます。

植木算を「当たり前」だと思うお子様は、
「− 1 するのは、植木算の考え方と同じだよね」
と伝えると、すんなり理解します。

逆に、植木算が「当たり前」ではないお子様は、
・なぜ「木と数列」が一緒なのか?
・植木算のどのパターン?
・植木算ってなんだっけ?
と、頭の中が「???」となります。
そのまま授業が進み、結局、公式を覚えることになってしまいます。

「自分で手を動かし、自分で考える」ようになるには?

では、算数の成績に伸び悩むお子様が「自分で手を動かし、自分で考える」ようになるには、保護者の方は何をしたら良いでしょうか?

全てを語るには大変なので、特に大事な3つのポイントに絞ります。

・計算力・計算処理力をつけること
まずは、計算力、計算処理能力をつけることです。
計算が速ければ、答えを出して、検算して、間違いに気づいて…という試行錯誤を繰り返し行うことができます。

では、どのぐらいの計算力が必要か?
単純な、四則計算では、山本塾ドリルを。公式のサイト や、数学市民さん(@Infinity_topoi)の記事を参考に。
その他、「小数を分数に変換する」や「速さの基本」や「割合の基本」などの処理能力は、ドリる算数で、関連の単元のSグレードをクリアすればひとまずOKです。
これらをやらせてみましょう。


・前提となる知識や考え方をつけること
2つめは、前提となる考え方を事前に身につけておくことです。
手が動かないのは、必要な知識や当たり前が備わってないことが原因である場合が多いです。

例えば、「時計算」を勉強するには、「速さ」や「旅人算」の考え方を知っておかないと難しいです。売買損益を教えるのに、割合を知らなければ何をやっているのかわかりません。
なので、新しい単元に入る前に、その単元を学習するのに必要なものが何なのかを確認し、学習しておくことが必要です。

予習の段階で、事前知識として何が必要かチェックしておきましょう。

・考えればできる、という自信をつけること
3つめは、考えればできる、というお子様自身の自信をつけることです。
お子様の勉強を見ていて、「やればできるのに、なぜ手を動かさない? 」と思うことはありませんか?
これには「私、やればできるかも?」と思ってもらうことが大事です。

例えば、
「あなたなら、やればできる!」と伝える。
などが効果的です。

嘘みたいですが、これだけで、正解を導けるようになるお子様も多いです。(もちろん、どこまで理解できているかを見極めることが必要です)

とにかく、できるだけ「自分で考えて解けた!」という経験を数多く積ませ、自信をつけてもらうことが大事です。

間違っても、お子様がもう少しで解けそうな問題に対して「このパターンの問題はこの公式を使えば簡単だよ!ほら!」という指導をしてしまわないようお願いします。 


以上、「自分で手を動かし、自分で考える」ようになるための3つのポイントでした。

まとめ

算数力を伸ばすには、「自分で手を動かし、自分で考える」こと。そして、それが習慣とするためのコツをお伝えしました。
指導に関しては、ご家庭では難しいことも多いです。塾を頼りましょう。
算数をちゃんと教えるには、算数の体系的な知識と理解が必要です。

今後は、具体的にドリる算数の使い方や解き方などをお伝えしていければと思います。お読みいただき、ありがとうございました!

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