”One-Hand POKKE"という、ドリフの理想のウエストポーチを作った話
プロダクト(Gear)を作る側になるとは思っていなかった。
でも、こんなの欲しいってのが出てきた。
それを叶えてくれる仲間が居たから作れた。正しくは作ってもらえた。
◾️背景
サコッシュを使わなくなって3年強。個人的なアレですが、長時間付けてると肩凝っちゃうんですよ。なのでハイキングも自転車も旅も、ウエストポーチを愛用してました。
一方で、お気に入りのポーチ(複数所持)は、止水ジップで開閉を両手で行う必要があるのが唯一のストレスでした。とはいえほんの少しですけど。(輪行の際などに改札で手が空いてなくて焦ることありました。自分のせいだけどね。)
旅先(山小屋や地方の酒場など)では財布を使うシーンが多いので、飲み物持ってる時とか輪行とかね。ズボンのポッケからスマホ取り出すような感覚で使いたい。
◾️コンセプト
片手で開け閉めできるフラップ型のミニマムなサイズのウエストポーチ。
ミニマリストが手ぶらで出かけるのに、ズボンのポケットと合わせて最適な容量。「手ぶら」と「ながら」を可能にする、ドリフの理想を形にしました。
ハイキングシーンではフロント側にポーチを。
チャリの時はバックサイドに。
◾️プロダクト
①薄くて小さいミニマムなサイズ
容量 : 0.5L程度
サイズ : W:18cm, H:10cm, D:4cm
日常では「財布、スマホ、バッテリー」をベースにして、個人でお好みのプラスマイナスをすればいい。(行動食、ウェットティッシュ、日焼け止め、エコバッグなど)
山では「コンデジ+行動食」って使用例も聞いています。
自転車では貴重品+工具などですかね。
自由に使ってもらえればいい。
ハイキング中にフロント側のTシャツの内側に装着。
薄くて小さいからスタイルを邪魔しないことを意図しています。
あくまでウエストに付けることに特化したので、ウエストベルト(胴囲)は最長で105cm程度。襷掛けは想定してません。サコッシュの肩こりが苦手で作った「ウエストポーチ」ですから。
そして、せっかくのウエストポーチスタイルだから、たくさん荷物入れて重かったり、設置面積大きくて汗蒸れしたりも本末転倒。容量はミニマムでいい。
②片手で開け閉めできる使い勝手
歩きながら、飲み物を持ちながら、財布やカメラ、行動食を取り出したいシーンってありますよね。
片手でガバッとフラップをめくって、開口部からは中身が全開に見えるので片手で取り出せます。入れるモノが定位置化すると見ずに感覚で取り出せるようになります。
バイクパッキングで輪行するときの改札を通るシーンなんかも便利です。
ハイキングシーンを想定した動画はこちら。
③予備的に閉じられる機能としての巾着仕様
ハイクで岩場行ったりする時にモノが落ちない安心感を予備的に装備。
結果として、不意に荷物が増えた時の容量拡張も可能になります。
暑くて脱いだウインドシェルや薄手のシャツの収納も可能です。
拡張して使用する際はフラップを内側(ボディ側)に織り込んで使用可能。
ボディ側のマジックテープには服にくっつかないようにループ面(メス)を使用。
吹き流し部分は使用シーンが多くないことを想定し、薄く軽い12.6/㎡のDCFを使用。一般的にはULプロダクトにも用いられることの少ない極薄の素材。ここは攻めてますが男のロマンですから。
シームはしていませんが、小雨程度なら中身が濡れることはありませんでした。
濡れに備える場合は、ZIPLOCKなどで防水することを推奨します。
あくまで緊急避難的な容量拡張ですが「手ぶら」が損なわれることのないような安心感はあります。
◾️素材
カタチをつくるハリのあるUL素材と、使用頻度の少ない吹き流し部分は挑戦的なくらいに極薄なキューベンを組み合わせて使いました。
本体:ECOPAK EPX200
防水性と耐久性に優れ、環境に優しい100%リサイクルポリエステル素材のECOPAKを使用しています。
吹き流し:DCF 12.6/㎡
超軽量で耐久性のある同素材の中でも、中身が透けて見えるほど最薄のDCFを使用しています。男のロマンとしてご理解ください。
◾️色
・Orange × Gray
・Lemon × Gray
色は本当になんとなく決まりました。ずっと初期のサンプルがなんとなくコレだったので「コレでいいんじゃね?」って。「ポップな感じ」のツートーンってのは決めてました。今後どうなるかは全くの未定ですね。
Orangeはもう何度も試作を重ねるなかで「鮭の切り身」にしか見えなくなりました(笑。
◾️価格
店頭販売価格:税込7,000円。
(Web販売時は上記と異なります。)
小ロットで、決して効率の良くない、手間のかかるデザイン・パターンで、手作りして、卸してもらって販売するとこうなるんだなって実感。時間も含めたチームとしての投資回収にはしばらく時間がかかりそうです。
いつまでこの価格で続けられるのかは決められていません。
◾️製作チーム
コンセプトを形にしてくれたのはドリフの仲間たち。
製作:Yas Guess Gear @yas_guess_gear
監修:今井さん @imai324
ビアラベルポーチでお馴染みの作り手のヤスさんと、実は鞄製作に長年携わっている今井さんのサポートで製作しています。
◾️今後の展開
同モデルの継続展開は決定している。
色なんかは定番を作るかもしれないし、スポットで展開していくかもしれない。
ブラッシュアップもしていくだろう。
それ以外は未定。色んな計画(願望)は自分の中にあるけど、需要と供給のバランス次第で可変でしかない。
いずれにせよ、ドリフを始めた約4年前はこんなシーンが生まれているとは思わなかった。計画的なポジティブサプライズというべきだろう。嬉しい限りだ。
作り手側に立つことでの視線の変化や気づきも楽しみだ。
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