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スポーツの秋

皆さん、こんにちは。Dr.ひざくんです。
最近はようやく暑さもマシになり、スポーツに最適な日が増えてきましたね。

そこでみなさんに普段のスポーツ活動で一番気をつけるべき怪我、その際の対処法についてお話したいと思います。

普段私は日本体育協会公認スポーツドクターとして、チームドクターの仕事も行っています。皆さんはスポーツ活動で真っ先に思い浮かべる怪我は何でしょうか。日本体育協会が発表しているデータ(2020年版)では、手・指の突き指が最も多く、全体の約20%を占めていました。次いで、 足関節捻挫が全体の約15%、膝関節における捻挫・靱帯損傷が約6% でした。また、脳振盪を含む頭頚部の外傷は約10%に見られました。私はコンタクトスポーツの現場に出ることが多いのですが、概ね肌感覚と一致している結果だと思います。特に脳振盪は最近注目されることが多くなっており、アメリカンフットボールの脳振盪問題を題材にした映画もあるほどです。日本では2019年のラグビーワールドカップの経験で、脳振盪に関しては現場の指導者の方々にもかなり理解が深まり、アスリートの健康被害を防ぐという意味では良い方向に向かっています。

一般の方々はこれらのスポーツで怪我をした際は、まずどうしますか? 
私達医療者からすれば、可能な限り速やかに、まず病院に受診することをお勧めします。骨、靱帯に異常がない場合は後々重大な問題に繋がることは少ないですが、初期の段階で整体院や整骨院に受診してこれらが万が一見逃されると悲惨な結果に繋がることがあります。もちろん、かなり優秀で的確な診断をして紹介してくださる整骨院の先生方がいるのは承知していますが、
病院(クリニックでも可)でないとレントゲンやMRI検査などはしてもらえないのです。これらを初期の段階で否定してから整骨院に通院しても遅くはないはずです。この点はぜひ注意してもらえたらと思います。

これらを踏まえて、手術に至る重大なスポーツ外傷の代表格といえば、膝前十字靱帯損傷です。若年から中年期まで、スポーツを行う方全員に起こりうる外傷の一つであり、スポーツ活動を続けるためには手術が必要な場合がほとんどです。

次回の記事では膝前十字靱帯損傷について、詳しく解説していきたいと思います。


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