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同調圧力の罠

 こんばんは、Dr FJです。
いろいろとバタバタしていてご無沙汰してしまいましたが、今日は同調圧力について私が思うことを書いてみたいと思います。

 突然ですが、皆さん同調圧力ってご存知ですか?語感からある程度わかるとは思いますが、定義は『地域共同体や職場などある特定のピアグループ(英: Peer group )において意思決定、合意形成を行う際に、少数意見を有する者に対して、暗黙のうちに多数意見に合わせるように誘導すること』だそうです。

 確かにある程度以上の規模の集団内で少数意見にいちいち耳を傾けていると、意思決定がスムーズに行かずどこにも動き出すことができなくなります。多少の意見の相違は『ま、大枠では一緒だから今回はこれで行こう』といって無視せざるを得ないのは当然ですし、我々人類が集団で生きていく上で身につけた本能的な能力であるともいえます。

 ただ…この能力は万能ではなく、時に思考停止を誘発してしまう両刃の剣でもあります。周囲の人がみんな『すごいですね』『賛成です』『買います』『私もやります』と言っている中で一人否定的なことを言うのは、かなり強い心理的な抵抗感を感じるものです。現に、客の中にサクラを紛れ込ませてみんなが買うという雰囲気を人工的に作って商品を売りつける詐欺商法なんてものも昔からよく聞く話ですね。第二次世界大戦時のファシズムや日本の軍国主義などもこれに当たると思いますし、現代のSDGsや原発再稼働反対、ガソリン車から電気自動車への移行なんかももしかしたら国家レベルでこういう要素があるのでしょう。

 そして、同調圧力は時に法律や良心や社会規範を容易に乗り越えてしまう原因にもなりえます。最近話題になった香川照之さんやENEOS元会長のクラブでの蛮行などは、まさにそれに当たるでしょう。普通ならそんなこと絶対やらないのになぜあの場ではそんなことが起こったのか。これはその場の雰囲気がこういう蛮行を許容するモノであったからに他なりません。たとえ合法であっても、妙な雰囲気がある場に行くことはそれ自体が大きなリスクであることを認識する必要があるでしょう。

 なので、私はたとえ誰にどれだけ『どう生きていくのかはすべて子供自身が選ぶことであり、子供にはそれを選ぶ自由がある』と言われても、少なくとも私から見て十分に世の摂理が理解できているなと確信できるまでは、その環境の選択に口を出そうと思っています。現代社会では親からのそういった押し付けは忌み嫌われるものかもしれませんが、それでもそうしなければと思うくらい、私はこの『同調圧力』というものを警戒しているのです。

 …ま、そうは言っても自分が若い頃は十分に無茶や無理をして多くの失敗もしてきたのではありますが。ただ、自分がなんとかここまでコケずにやってこれたのは単純に運が良かっただけで、途中に何カ所も再起不能になりうるピンチに直面してきたのも事実です。温室育ちの軟弱な子供にしてしまうかもしれないと思いながらも、子供には絶対に幸せになってほしいとも考える親心。子育てに答えはありませんね。

まとめ

  • 同調圧力は組織が動くためには不可欠なものではあるが、時にこれが思考停止を誘発してしまうことがある。

  • 普段ルールを守り他者を思いやる倫理的な生活を送っている人であっても、同調圧力の強い異質な雰囲気の中ではこれらの決まり事の枠を容易に逸脱してしまう。

  • 子供には何でも自由に選ばせてやりたいが、でも少なくとも私から見て十分に世の摂理が理解できているなと確信できるまでは、その環境の選択に口を出そうと思っている。

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