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シャンパンはラリック


#創作大賞2023#エッセイ部門
「奉公し候(そうろう)。
人さのみ利根だてなるもしかるべからず。
/小笠原流礼法『宮仕えの心得』」


わたくしの最近の習い事の師とのショートメール🐱

徒弟制度サンクチュアリ

「弟子の準備が整うと師が現れる。」

私は現在もう50過ぎだけれども
20~30代の頃はとにかく拝金主義だった。
のちに財運がついてくると感じるモノだけがすべてだった気がする。
これは決して今でも間違いではない考えだと思っているけれど
いわゆる「習い事」や「お稽古」の場では
異端だった。

私が経験のあった生け花よりも西洋のスタイルでインテリアを飾るフラワーアレンジメントに興味を持ったのは20代も後半になってからで
すぐに稼ぎに直結した物の考えを常にもっていたその頃はその徒弟制度を理解するのにとても苦労した思い出がある。
それまで「先生」「師匠」の存在はなかったのか?というとそういう訳ではなく
茶道だったり、生け花だったり、学校の先生だったり、わりと身近だったのに?

これは個人的な感想だけど社会的に勤労しすぎるとそのへんが怪しくなってくる。
私は馬車馬のように働いていたからだった、いつも。
だけど徒弟制度を理解しないことには
私の憧れた世界には入れない事をすぐに悟った。
その頃の私は習い事のお金を払っても
「師の準備ができたからこそ、弟子が現れるのよッ!」という頭のほうが強い。

間違っていたとしても、それは変えられない。

有名な先生や有名なアーティストの所しか行かない主義。

「師は一流でなくてはならぬ。/酒井美意子」

この一節を見つけた時に心はもう決まっていた。酒井美意子さんはその事を重要に書いていて月謝が高くてもスケジュールをあわせにくくても、先生は一流を師事しなくてはいけない、なぜならある日あなたの人生はいきなり変わるからです。というのはかなり極端かもしれないけれど
私としては一理あると感じるのは
「先生はどの先生も素晴らしい。だけど手習いというのはその先生の上をなぞる事」というのは腑に落ちたのだった。

「10年1日の体験をする。/10年かけて学ぶ事を1日で感動を伴う学びが真の学び。」
なのだと。

「Youは作家なのか?商業デザイナーなのか?」

創作活動だけをやりたいならその場でいつでもアーティストになれる。

「これは私が作ったんです。
私は作家(アーティスト)です。」

そう宣言すればその日からその人はアーティストなのです!

だけどその手につけた技巧で収入が欲しくなれば私は商業デザイナーだと決めている。

他の人はどういう考えかはべつにして
それは間違っていると批判されたとしても。
でなければ、貧乏ヒマ無しのこの私が

「スケジュールを調整してぜひ参加させていただきます!」

という口グセになった。

それとはべつに本当に芸事で賃金を稼いだ経験というのは世の中で通用するには
それも真っ当に通用するには何を置いても
コネもお金もない。何も頼る事ができないなら社会的に保障される事がもっとも近道だと身をもって体験したのだった。

フルートグラス

私はそれほど酒好きでも呑むワケでも
ないけど
どうもお酒と縁がある。
習い事でもなんやかんやワインだの、シャンパンだのがどうも縁があって
悪くないけどご縁がある。

お酒はたしなむ程度でホントに飲み会などもほとんど行かない。
ほんのすこし晩酌にワインだとか、
少し前は有名な先生をマネをして小さめのモエ・エ・シャンドンなどを、たしか2000円ぐらいの物を買って飲んでいたこともある。
それはオシャレだなと。

モエ・エ・シャンドンとボランジェのどこがどう味が違うか?なんてわからない。
それほどグルメでもないから

「野人ゆえ、酒の味もわからぬ。/バガボンド」

ずいぶん前にたしかレイジースーザンというお店でお花のカラーの形をしたシャンパン用のフルートグラスを見つけた。今もあるかわからないけど高級シャンパンのお味はイマイチわからなくてもオシャレなフルートグラスをコレクションしたいと思ったことがある。

そのための高級ブランドシャンパンね!

それは30代前半のころだったけど
最近では
業界で一人者である有名なサロンマダムの素敵な先生のサロンでまさか日本の茶道をベースにした和風のしつらえのコーディネートで
ラリックのシャンパンを振る舞われるとは思わなくて、
しかもこれが、
なんていうか、その、
先生が「これは残したら怒るわよ!」と
お着物姿でついでくださった宝石のような泡が立ち上る高級シャンパンは私にフルートグラスのコレクションをなんでもいいからすぐにはじめるべきよ!と背中を推された気がした。

Tuesday(火曜日生まれの女)

写真のシャンパンはラリックのシャンパン。
ホントは正体がなくなるほど飲みたかったけど汐留から横浜まで帰らなくてはいけないのが残念な夜だった。
















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