倫理・哲学グランプリをニヤニヤ外野から眺めている

こんにちは、いい女です。生理も重けりゃマインドも重い、とても厚みのある人間です。さて、今年も倫理・哲学グランプリの季節がやってまいりましたね。やったーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!

倫理・哲学グランプリってなあに

みなさんご存じの倫理・哲学グランプリというめちゃくちゃポップで親近感の湧くこのグランプリ、いわゆるアカデミックなオリンピックの類の一つである哲学オリンピックIPO(International Philosophy Olympiad)が主催している中高生向けのグランプリです。生物・化学・言語と違って知識量・学力というより課題文に対して自ら問いを立て、多角的に考察して、論理性の高いエッセイを仕上げていく能力が必要とされます。ちなみにどマイナー・・・敷居は高いのでそもそも受ける人数も他オリンピックに比べては少なめです。受ける気満々だったんですけど気づいちゃいました、私女子高生じゃなかった。応募できませんでした!大馬鹿野郎!ど畜生が!なので評価点をつけられないことをいいことにやんややんやと外野からいろいろ投げていきたいと思います、悪趣味グランプリ1位~

この課題文がすごい2019

さて、今年の課題文が発表され、目を通してみるとアイスキュロス、スピノザ、リルケ・・・。しってるしってる、聞いたことアルね。

1畏怖すべきものをすっかり国外に放り出してしまうようなことをしてはならない。死すべき命の人間の身で恐れるものが何ひとつないようになって、なお正道をふみはずさぬ者が誰かいるだろうか。
(アイスキュロス)

2
自然の中には何一つ偶然的なものは存在しない。一切は神の本性の必然性から一定の仕方で存在したり作用したりするように決定されている。
(スピノザ)

3
芸術作品は無限に孤独なものであって、批評によってほどこれに達することの不可能なことはありません。ただ愛だけがこれを捉え引き止めることができ、これに対して公平たりえるものです。
(リルケ)

うーん、私だったら3で書くかな・・・。直感だけど・・・。例年通り哲学者たちの名言が連なる中…

4
君たち人類の価値基準こそ、僕らは理解に苦しむなあ。今現在で68億人、しかも4秒に10人ずつ増え続けている君たちが、どうして単一個体の生き死にでそこまで大騒ぎするんだい?
(アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」)

私はオタクだけどアニメに関してはさっぱりです。ドラえもんもクレヨンしんちゃんもまともに見たことないです。そんな日本慣習的萌動画情弱糞雑魚奴でも名前知ってるし、サジェストに出てくるくらい有名なアニメからの出題。おいおいまじかと。おもしろすぎて前3人が霞んでるよ。この4つが並んでいて1,2,3なんて選んだらウェイ系大学生の飲み会なら「こいつノリ悪ww」ってインスタのストーリーにあげられちゃうやつじゃないですか。怖すぎる。

まどマギが選ばれた理由

そもそもIPOのえらいおじちゃまたちが頭をひねって真剣に魔法少女を鑑賞して課題文としてふさわしいかどうかを議論したと思うとかなり胸熱的な展開ですが、提案した人の度胸もすごいですよね。絶対胸がどぎマギ・・・って言いたいだけでした。本当にすみません。実際これ、かなり革新的な挑戦だと思うし、ある意味IPO側からの挑発というか、どこまで汲み取るかな?てきな煽りを感じちゃうの私だけですか?スピノザたちの課題文に対しては、今まで通りまず、文を解体してとか、解釈してとか、筋道の立て方にある程度フォーマットが敷いてあるというか、過去の受賞作を見ても参考にできる点が多く見つかるんですよね。これに対してまどマギのそれ、私がそれで書けって言われたらめちゃくちゃ困ります。アニメの中の文章ってことは前後の文脈とか意図とかも当然知りたいし、鑑賞の義務があるような気がしてしまう。もちろんそんな義務ないんだけれど、1,2,3と比べると明らかに考えなきゃいけないことが多いですよね。そもそもこれ君たち人類って語りかけてるってことは人類じゃない側からの俯瞰ってこと?アニメ見てないからわからないんですけど、そこまで大騒ぎ、もどこまでどんなふうに大騒ぎしたかもわかんないし、いやもう全然わかんないっすねこれ。何考えているんだIPO。死生学についてなんだろうけど、生き死にについては我々人類にとって不断の追及分野だし、アニメについて触れながら(一切触れないのは不自然?)4000字でまとめるのも難しそうです。中高生が死生学やまどマギについてどんな論理を展開するのかめちゃくちゃ楽しみです。