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#11 リサイクルに必要なお金~タダより危ないものはない~

こんにちは、GTです。
今回はリサイクルにまつわるお金の話です。

生活する上でいろんなゴミや不要なものが出てきて、ゴミとして出したりまだ使えるものはメルカリなんかで売ったりしていると思います。
ここでは、自動車や家電の話を中心にリサイクルとお金について書きたいと思います。


リサイクルにはお金がかかる

今の日本では、捨てられたゴミはなるべくリサイクルして有効利用される仕組みになっています。
そして大前提として、ゴミをリサイクルするにはお金がかかります。

自治体によって異なるところはありますが、いつも出しているゴミを入れる袋が指定されていてスーパーなどで買う必要がある場合も多いと思います。
そのお金は袋自体に対してかかっているわけではなく、その袋に入れて捨てられたゴミを処理したりリサイクルしたりするために必要な費用に充てられています。

そして、リサイクルになぜお金がかかるかというと、リサイクルできるようにするためにいろいろと工程が必要だからです。
基本的にリサイクルして商品の原料に使用されるためには素材別で分ける必要があって、素材別に選別したり、モノによってはいろんな素材が混ざっているので細かく破砕して素材別に選別できる状態にしないといけません。
モノを作る上では原料の条件が定まっている必要がありますが、ゴミにはいろんなものが混ざっているので、リサイクルするためには原料条件を満たすようにするための工程が必要になって、当然それにはお金がかかるわけです。

リサイクル料金の前払いと後払い

リサイクルするためにお金が必要で、そのお金を誰かが負担しないといけません。
その負担者が自治体の場合もありますが、基本的には排出者、つまりはゴミを出した人が負担する場合が多いです。

ただし、この場合には問題が起こる場合があって、それはゴミを出す人にとってはお金がかからないように不法投棄するインセンティブが働きやすくなってしまうということです。
捨てるときに高額な費用が必要になるモノは特にそうなりやすいでしょう。

そこで、リサイクルに必要なお金を捨てるときに払うのか、それともモノを購入したときにあらかじめ払っておくのか、という2つの考え方が出てきます。
それぞれ後払い方式、前払い方式と呼ばれています。

多くのモノは後払い方式が採用されていますが、前払い方式を採用しているモノとして自動車があります。
2005年から施行された自動車リサイクル法に基づいて、自動車を買うときに購入者は必ずリサイクル料金を支払う必要があります。
それまでは自動車を捨てるときにお金を支払う必要があって、不法投棄が少なからず発生して問題視されていましたが、この仕組みのおかげで不法投棄は激減しています。

私たちが生活する中で出てくる大物のゴミとして、自動車以外に家電があります。
自動車と同様に、家電についてもテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンを対象にした家電リサイクル法が施行されていますが、自動車とは違って後払い方式、つまり捨てるときにリサイクル料金を支払う仕組みになっています。
今でも家電の不法投棄は年間で数万件レベルで発生していて、後払い方式に変更する議論も行われていますが、変更には至っていません。

不法投棄の問題としては、不法投棄が行われたエリアの環境汚染の問題に加えて、地球温暖化への悪影響も多分にあります。
自動車やエアコン、冷蔵庫などには温度調整のために熱をやりとりするためのフロンが使われていますが、このフロンが大気中に放出されると地球温暖化の大きな要因となります。
地球温暖化の要因としてCO2がよく挙げられていますが、地球温暖化の要因となるものはCO2以外にも多数あり、総称して温室効果ガスと呼ばれていてフロンもその1つです。
これらの温室効果ガスは種類によって地球温暖化への影響度合いが異なっていて、フロンの場合はその影響度がCO2の数百倍~数千倍にもなります。
つまり、大気中に出てしまったフロンが少量の場合でも、多量のCO2が大気中に出たことと同じレベルの影響があるわけです。
適切にリサイクルされる場合はフロンが大気中に出ないように処理されますが、不法投棄された場合は大気中に出ていってしまうことになります。

私たちが気を付けるべきこと

私たちがゴミを捨てるとき、特に家電製品を捨てるときに気を付けないといけないことは、正しい方法で捨てるということです。

チラシなどで大物の不用品を無料回収することを謳う業者の宣伝を見たりしたことがある方も多くおられると思いますが、そういう業者に出すのはNGです。
その多くは違法の業者と言われていて、不法投棄に繋がる可能性が高いです。

上でも書いたように、リサイクルするのにお金がかかります。なのに、それが無料であるということには必ず裏があります。
それは本来は必要なコストを不当に回避しているということです。
家電の中には金属類などお金になりやすいものと、お金になりにくいものが混在しています。お金になりにくいものでもコストをかけてリサイクルできるようにしたり埋め立て処分など適正に処理する必要があります。
違法な業者は無料で回収したモノの中から、お金になりやすいものだけを取ってから、不法投棄することでお金になりにくいものを処理する費用を負担していないというケースが往々にしてあります。
だから無料で回収できるというカラクリなわけです。

モノを捨てるときにお金がかかってしまうということに対して後ろ向きな気持ちになることは仕方ない部分がありますが、地球環境を守るための必要なコストと捉えて、出し渋らないようにすることが重要だと思います。
そして、捨てるモノを最小限にするために、必要なモノ以外は買うのを控える、買ったモノは大事にできるだけ長く使う、ということも意識すると環境にとっても私たちの財布にとっても優しくなるのではないでしょうか。

ではでは、また次回お会いしましょう。

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