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自動車の点火系回路ってどうなってたの?

背景

前回(下記)でエンジンの点火タイミングについて語った。で、昔と今の自動車エンジンの点火系の回路はどうなっていたのだろう?

点火系回路の大まかな歴史

wikipediaから

1908年登場のフォード・モデルTなどの黎明期の自動車や航空機においては、マグネトーと同時にクランキング時の点火電圧供給専用の非充電式乾電池を搭載する切り換え式点火装置を採用するものが存在した。

wiki

最初期は乾電池の電圧で火花を飛ばしていたのですね。昔は(30年前)普通でしたディストリビューター式になりました。(レース映画での「イグニションON」とは点火系の事だったのですね。)

Frédéric MICHEL and PiRK, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=8281339による

点火タイミングは固定だったということです。
右下の部分はメンテナンス性の問題で電子的に切り替えられました。

Dmitry G - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5161645による

S1のスイッチがONになるたびにコイルの右側にドーンと大きなパルスが流れる回路になってます。回路の動作を解説しますか?
(追記予定)

では、CDI点火回路とは?今のバイクや自動車の回路ですよね。
下にリンクを貼ります。

ここからの回路図。引用させて頂きます。

https://www.waraya.jp/luce/cdi/CDI.htm

発振回路でDC→AC→DC(高電圧)に変換してから、サイリスタでドーンとグランドに落としてパルスを作るようです。
サイトの方は「ルーチェのエンジン交換後は、点火時期は上死点設定、進角も限度前で止めてます。点火時期を進め過ぎるとエンジンが壊れます。」
点火タイミングって怖いのね。

ダイレクトイグニッションとは、各気筒にこの点火コイルを配置した形式です。今のエンジン。

点火タイミング可変回路

では、どうやって点火タイミングをどうやって可変していたのか。

機械的な点火進角は、エンジン回転数に応じてガバナーが調整することで行われる。これは運動の第1法則を利用したもので、エンジン回転数に従ってガバナーの錘が遠心力で広がり、ディストリビューターメインシャフトに対するコンタクトブレーカーの角度位置を変更することによって進角が行われる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%B9%E7%81%AB%E6%99%82%E6%9C%9F

エンジンの回転数が上がるほど、点火タイミングを遠心力で可変するスイッチで変えていました。回転数が高いほど、ガソリンと空気が混ざる時間が回転角に対して長くなるので進角させます。
今は、もちろんコンピュータ制御点火システムになっています。エンジン回転数とエンジン負荷と(その他センサーからの入力によって)点火タイミングを変えています。コンピュータを使えばどのような点火タイミングにも変えられるでしょうね。回転数が高いほど進角させる。負荷が大きいほど空燃比も大きくなるので、おそらくノッキング対策のために、進角のカーブは緩くするようです。理想の点火タイミングから後ろになりますので、負荷が大きいほど燃費が悪くなります。(ガソリンエンジンが高負荷で燃費が落ちる理由)

所感

機械モノの回路は大雑把というか耐久性重視なのでしょうか。
燃費のために最近のエンジンがロングストロークにするのも、熱的にも効きますが、ピストンのボア(直径)が小さくなるとスワールが強くなるので混合気が薄くなる効果と同じで、点火タイミングの進角が燃費に効いてるのかもしれませんね。
理論の機械的、熱力学的にはロングストロークにしても燃費が良くなる要素はないですよね。

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