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拍子抜けした面接

私は何を期待していたのだろう?

何かがおかしい、会話が噛み合わない、こんな感じで大丈夫なのか?めちゃめちゃ不安なんですけど?

それが約30年ぶりの面接の感想だ。

私は面接日が決まって以来、常に緊張していて、ぐっすり眠ることができず、そわそわした心許ない状態で過ごした。

月曜日に体調が回復したこともあり、面接先の会社まで下見に行った。

予想以上に綺麗な建物で、近くには古墳があるので、だだっ広い草原と空が見える開放的な景色に感動した。

私の世界が変わった!と確信できた。

その日の夜、緊張しながら履歴書を書いた。

そして持ち物を確認してバッグに詰め、当日に慌てないように準備万端整えておいたのである。

だから昨日は、何もやることがなく、本当にゆったりと余裕を持って自由を満喫できた。

今までの私では考えられない事だ。

大緊張するイベントの前日に、余裕を持てるなんて、一度もなかった、前日まで緊張して何も手につかず、夜に慌てて準備を開始するパターンで、もっと早めにしておけば良かった💦と後悔しながら泣きそうな表情で荷物をチェックするのが常だった。

それが今回、初めて前々日に準備が完了していたのだから、私にしては大快挙だ!

その分凄いミラクルを期待してしまったのかもしれない。

ハローワークで担当の女性に、面接の日は時間に遅れず10分前に行くようにして下さい、とアドバイスしてもらったので、今日は余裕を持って早めに出発した。

予定時間より15分前に到着、空や花の写真を撮ったりして時間を調節して、10分前にインターホンを押した。

直ぐに事務の女性が応対してくださり、面接の部屋まで案内してくださった。

物置きのような、会議室のような微妙な部屋で、ポツンと一人で面接時間まで待つ。

大きな窓があり、そこから空が見えるので、退屈はしなかった、すると後から、若い男性がスーツ姿で入って来た、どうやら面接を受けに来られたようだ、私は自分だけだと思い込んでいたので、ちょっと戸惑った。

それからまだしばらく待ち、やっと面接官らしき人が現れた、予想外に私より年上の女性だった。

私は勝手に男性だろうと予想していたので、これにも動揺した。

直ぐにその女性は、私を前のテーブルに誘導して、挨拶もそこそこに早口で説明を始めた。

何か違和感を感じながら、頑張って理解しようと説明内容に集中する。

その女性は、ハローワークからの紹介で来た私に対して、ちょっと面倒臭い感覚があるように見受けられた、キツい口調で ここで面談した内容は他言せず しっかり守秘義務は守ります!と苛立ったように締めくくった。

それから履歴書に目を通し、質問を始めた。

私は予想通りの質問には、スラスラと答えられた。

でも、えっそんなこと聞く!?という質問には、慌ててしまう、私はどうしても適当には誤魔化せない性格だ、ついクソ真面目に正直に答えてしまう。

その女性は、自分の偏見を押し付けるような威圧的な言い方で、有無を言わせず断言してくるので、私はもうそこはスルーしてその女性に合わせておくことにした。

そして、一番重要な質問を私は待ちわびていたのだが、結局何もそのことは聞かれなかった、その質問とは、清掃の仕事をしようと思ったのは何故ですか?というものだ。

確かに大まかには、履歴書に希望動機として書いたので、敢えてする必要性がなかったとも言えるけど、私の出身地や、子どもたちが就職しているかどうか等、私にとっては不可解でしかないことを、面接官の女性は何度も質問してきた。

なんとなく会話が噛み合わない、手応えが感じられない面接で、気がつくと終了していたという感じ。

結果は一週間後にお知らせするとのことだった。

こんなものなのか?私の世界だから全部が私、創造主にとっては、この拍子抜けした感覚も貴重な体験なんだろう。

帰り道で空を見上げて、面接前は曇っていて雨もポツポツ降っていたのに、今は青空が広がり白い雲が浮かんでいる、それが私を慰めてくれているように感じた。

終わった事をクヨクヨ思わないでいい!空はこんなに美しいんだから!と。

コンビニでお昼御飯用に、ツナマヨおにぎりを2つ買って帰った。

ワンコのこゆきにも、おにぎりのごはんの部分と焼きのりを少しだけ分け与え、娘と一緒におにぎりを食べた。

私は自分の思い込みの世界で、精一杯やり抜いた!よくやったね私!凄いよ!やりきった私は最高だよ!今ここで完全な私なんだからね!それで充分だよ!

ツナマヨおにぎりがいつにも増して とっても美味しく感じた。


面接が始まるまでの待ち時間、私はずっと茅子俊さんのことを想っていた。
彼のことを想う時、現実が幻想に変わる、だから 全て大丈夫だと信頼できる、緊張はしていても、頭はスッキリとして冷静でいられた。
このことから、私は見えている世界に入り込まず、今ここに戻れていたと自信が持てた。


ここまで読んでくださって感謝します。

幸せをありがとうございます✴️









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