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意地悪な自分を許そう

最近観たバラエティ番組の一コマで、私の昔の意地悪な行為を思い出した。

それについて記したいと思う。

その番組(アメトーーク 3時間スペシャル)では、ぼる塾の田辺さんとあんりさんが美味しそうにミスタードーナツを食べていた。

そこへはるかさんが登場する、2人は大慌てで食べるのを止め、取り繕った態度になる、それがとても滑稽で面白い、田辺さんとあんりさんの動きがシンクロしていて、スタジオの芸人さん達も大爆笑していた。

田辺さんとあんりさんが、共犯してこっそりミスドのドーナツを食べていて、そこへ突然招かれざる存在のはるかさんが入ってきて、めちゃくちゃパニックになり、誤魔化そうと不自然な行動をする姿が、なんとも可愛らしくとても微笑ましく、そして他人事とは思えず、私と娘はお腹を抱えて笑い転げた。

そこで娘に私は言った。

「今のシーンで思い出したわ。私たちも前にあんな感じで2人で共犯してお父さん(元夫)を邪魔者扱いしていたよね」

娘も大いに同意してくれた。

前の家に住んでいた頃、元夫に対してすっかり愛情は冷め、家庭内別居状態だった。

それでも夕食は3人揃って食べていた、元夫が早く食べ終わり、1階の自分の部屋に戻ることを願い、娘と目配せしながら黙々と夕食を食べる。

その白けた冷たい空気に、元夫はさっさと自室へ行ってくれた。

私と娘はホッとして 深いため息💨をつき、やっと美味しく夕食が食べられる♬と、めちゃめちゃテンションが上がり、テレビを観ながら笑って食べていた。

そこへ突然元夫が戻って来たのだ!私たちはビックリして慌てて真顔になり、誤魔化そうと取り繕う、そして心の中で早く元夫が用事を済ませてこの場から去ってくれることを願う。

私はただ楽しく夕食を食べたかった、元夫はすっかり変わってしまい、全然楽しい雰囲気ではなくなっていて、側に居るだけでこっちまで憂鬱にさせる威力があった。

そんな人との夕食は、全く味を感じず、ちっとも楽しめなかった。

私って冷たい残酷な性格だと、罪悪感もあったけど、どうしても元夫との食事を盛り上げる気にはなれなかった。

そして居心地の悪さを感じていた元夫は、自ら自室で夕食を食べると言い出し、それ以来一緒に食べることは無くなった。

でも下の階に元夫が居ると思うと、全力で食事を楽しめない私と娘、あのバラエティ番組の田辺さんとあんりさんのように、こっそりと食べる、そして突然元夫が現れ、ビックリして取り繕う、そんな滑稽な様子がよみがえってきて懐かしささえあった。

今改めてあの頃を思うと、私と娘は同じ対象を毛嫌いして、排除しようとすることで、共犯者として団結できて、罪悪感が伴った感覚も共有できて、絆が益々深まったのだと感じる。

意地悪な自分を体験することも、貴重で素晴らしいことだと今は自分を許せるようになった。

ぼる塾のあんりさんは 番組内で語っていらっしゃる、好きなものを食べていたら、はるかさんが又食べてるの?さっき食べたばかりなのに、と言ってきて、それが凄く嫌ではるかさんには食べてるところを見られたくないと思うようになったそうだ。

特にはるかさんは、嫌味であんりさんに言ったつもりはないのだろう、ただ素直に見たままを言っただけ、でもあんりさんには嫌味っぽい言葉に聞こえてしまった、そんなに食べてるからダメなんだと言われた気になったのかもしれない。

こうして誤解を招き不穏な空気は生まれるのだろう。

私も、元夫を最初から嫌っていた訳ではない。

嫌いになる理由は沢山あり、我慢に我慢を重ねて、ついに限界を越えてしまったから、離婚に至ったのだ。

食事は大好きな人と共に食べるのが一番いい。

美味しいね!とニコニコ笑顔で幸せを分かち合って食べたい。

私と娘はあの暗黒の夕食体験がある限り、いつだって今の幸せを心から感謝できる。

そして私は思うのだ、あの頃には戻りたいとは決して思わないけど、確かに面白くて楽しいこともあった、夕食の光景でさえも、あの頃にしか味わえないスリルがあり、娘と共有して共感する喜びを私は感じていたんだ!と。

元夫に感謝しよう、娘との絆を深める為に、敢えて嫌われ役を引き受けてくれてありがとう!

こうして今 自分の半生を振り返ると、私の人生は、最初から愛に溢れていたことが分かってくる。

みんな私の為に配役された愛ある方々で、的確に演じてくださったのだと思うと、有り難くて感謝が溢れる。

もうダメな私はいない。

意地悪な私も愛おしい。

貴重な体験をさせてくれて本当に有り難いと思えるから。

ここまで読んでくださって感謝します。

幸せをありがとうございます✴️












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