辞めるのか辞めさせられるのか、ああそれが問題だ by 夢野来人
タケルはそろそろ63歳のしがない会社員。若い頃から仕事運がないせいか転々と職業を変えていたが、いつかはサラリーマンを辞めて起業してやるんだと思い続けていた。
起業の方はともかく、サラリーマンを辞めてやるんだという思いは、あと2年で否が応でも叶ってしまう。そう、定年となるのだ。こちらから退職願を叩きつけてやる日を夢見ていたのだが、会社の方からあなたはもうお払い箱ですと定年退職を通知されてしまう日が来ようとは、それこそ夢にも思わなかったのである。
「俺もついに要らない人になるの