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「王様のお菓子」について by miruba

 ガレット・デ・ロワ(galette des rois)というフランスのお菓子を最近ではご存じの方も多いかと思います。直訳すると「王様たちの丸く焼いたお菓子」となりますが、この王様たちはキリスト誕生の時にそばにいた東方の三博士を指します。
 1月6日の「公現祭」(エピファニー:Epiphanie)をお祝いして食べるお菓子とされていますが、この公現とはイエス・キリストがこの世に顕われたことを指します。

ガレット

 家族で切り分けて食べるアーモンドクリームの入った折込パイ菓子ですが、中にフェーヴという陶器でできた宗教的なお人形が忍びこませてあって、これが切り分けた自分のパイの中にあったら、その人は紙でできた王冠をかぶり、みんなの祝福を受けて、その年の一年良いことがありますよ。というお楽しみサプライズのあるケーキなのです。

 フェーヴは空豆のことで昔はソラマメが実際に入っていたのですが1870年代に陶器のお人形が入れられるようになりました。昔はキリスト誕生にまつわるお人形が多かったのですが、最近ではディズニーのキャラクターやゾウ・トラ・ウマなど動物などもあり、今ではプラスチックのキャンドルや太陽を模した石のようにオブジェ的な物なども入っています。私もフランスに住み始めてから毎年1個、または子供たちが小さかった頃はひとシーズンに4、5個のガレットを買いましたので、100個近くのフェーヴがあると思います。コレクションになってしまいました。

シンブル


 今では1月6日に限らず1月中ならいつでも食べるという事で、フランスでは前の年のクリスマスの頃にはスーパーなどの売り場にも山と積まれています。まだ日本ではオンラインショップかパティシエールの居る本格的洋菓子店でしか買えませんが、そのうちスーパーに並ぶ日があるかもしれません。

 これが終わると、4月に、キリストが磔にされたあと3日目に蘇ったとされその復活をお祝いする「復活祭」ですが、この時は卵の形、鶏の形やウサギの形または魚の形をしたチョコレートの中が空洞になっていて、グミのようなボンボン飴が中に沢山仕込まれているチョコレートがスーパーでもたくさん売られます。これもまたサプライズ志向のお菓子なのです。
 フランス人はこういうサプライスが好きなのか、パイの中に牛フィレ肉の入った料理やら、スープの中が見えないように器にパイ皮で蓋をする料理などもあります。
 新型ウイルス感染症の流行る中、もう数年フランスには行っていませんが、せめてガレット・デ・ロワをネットで購入して、サプライズに満面の笑顔だった娘たちの顔を思い出して、ワインでも傾けましょうか。

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