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還暦になって分かった その4

「『隣の芝生は青い』なんて思わない、
 なんて 思うわけない」

同年齢の人が壇上でスピーチをしているのを見る。
「すごいなぁ」
同年齢の人がエアロビクスのインストラクターをしている。「すごいなぁ」
同年齢の人が大衆に感動を与える芸術品を創り出している。「すごいなぁ」

じゃあ「あなたは何か継続して努力したの?」って聞かれたら…やっていない。やっていないから「羨ましい」と思う気持ちを持つなんておこがましい。身の程知らず。
でも、羨ましい。とっても羨ましい。

でも、言ってやる。還暦は口に出して言ってやれ。
「とっても羨ましいぞ」

「自慢は自満」

自慢ばかりしている人を、どう思うか。うざい。面倒。聞いているのも嫌になる。

でも、還暦は分かった。
自慢する人は、自慢することで、自己満足しているから、それは「自満」なんだ、と。
じゃあ、ことん自慢させて「自満」させてあげよう。

へーすごーい!
そうなんだ!
さすがー!

「焦っても焦らなくても大差はない」

上手に山を登っていても、道を間違える事がある。
上手に坂を下っていても、滑って転ぶことがある。
美味しくて、たんまり食べたら胃もたれして。
美酒をあびたら、吐きまくり。
吹く風に髪をなびかせていたら、鳥の糞が落ちてきて。
海岸で叫んだら、砂が口にはいってきた。

還暦には見えた。
大差なし!




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