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昭和のほろ苦い思い出とフランス人形

 私が幼かった頃に父が買ってくれたフランス人形があります。当時はガラスケースに入っていましたが、そのケースは壊れてしまい今はお人形だけがピアノの上に飾られています。

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 父は昭和20〜60年代の日本の高度経済成長期を文字通り支えた鉄鋼系工業系上場企業のサラリーマンでした。そんな24時間働きます的なサラリーマン家庭には当時、どんなに小さなお家にも(例えば社宅であっても😅)大抵応接間と言われる部屋があって、そこには大抵子女のためのピアノなどが置かれていてフランス人形も大抵どのお宅にもありました。父にねだって買ってもらったのをよく覚えています。
 この人形はまさに昭和の面影を色濃く残し、私が父と母の娘だった時代をほろ苦く思い起こさせるのです。

 私は両親が歳をとってから生まれた一人娘でしたので、それはそれは可愛がってもらいました。昭和一桁生まれの父は厳しかったですが、それでも私がたとえどんな娘でも自慢の娘だと思ってくれていたのだろうと思います。(今ならそのことがよくわかります)
 二人とも決して短命ではありませんでしたが、私が二十歳を過ぎたら定年でしたし、あっという間に歳をとっていったような気がします。
 そして、私が50歳になる前に両親ともに逝ってしまいました。

 私の成人後の人生もなかなか波乱に満ちていましたので、両親の娘としての時間よりも、子供の親としての時間の方が長くて大変でしたし、そちらにかまけて晩年の両親との時間は思うように大切にできませんでした。

 あたふたしながらの子育てをして気づけば父も母も送ってしまった切なさで、なかなか描けなかったこの時代のことも、両親への想いや想い出たちも、これから少しずつ綴ってみたいな…と、この人形を見ながら思う今日この頃です。

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