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周りを見渡してビックリ・・・

先日、慌てて飛び乗った地下鉄の車両が、なんと女性専用車両だった。「朝の通勤ラッシュ時間にしては、やけに空いている車両だなあ・・」「う~ん。なんか変だぞ。女の人ばかり・・」「あっ、そうか!」そこからは、一目散に隣の車両に逃げ込むように歩いた。そんなとき、つい、冷静さを欠く動きをしてしまうものだ。こともあろうに、進行方向とは逆の車両に移動しようとしていたので、一生懸命歩いているのに全然前に進んでいかない感じ・・他の乗客から見れば、まるで、昔の喜劇映画のワンシーンのような映像だったろう。もちろん、法律に抵触する行動ではないが、地下鉄乗車に関するルール違反は否めない。これまでは、南北線を利用する回数が圧倒的に多かった小生であるが、現在は、東西線を使うことが日常化している。その方が、バスや市電などへの乗り換えに便利なことがわかったからだ。そんな中で、路線ごとに女性専用車両の設定方法が違うことに気づかなかったことが、小生のお恥ずかしい行動につながった。

運行路線ごとに女性専用車両の位置が違うんですね

札幌の地下鉄は、市内3本で運行している。正式名称は「女性と子どもの安心車両」。平成20年の8月~9月にかけて試験導入され、その後市民へのアンケート調査を実施し、その結果を踏まえて、南北線は、平成20年12月から、東西線は、平成21年7月から本格導入された。南北線は、北方面は最後尾車両、南方面は先頭車両、東西線は、東西向きそれぞれの車線ともに4両目、東豊線は、車両数そのものが4両しかないため規定なし。これが、札幌市内を走る地下鉄の女性専用車両のルールだ。南北線、東西線ともに、始発から午前9時までの運行時間に設定されている。
遙か昔の記憶をたどると、地下鉄の改札前に腕章をつけた職員が立ち、簡単なアンケート調査を受けたことがある。「ちょっと良いですか。3分間だけお願いします。」確か、こんな感じ。「札幌市では、女性と子ども専用車両の設置を検討していますが賛成でしょうか?反対でしょうか?」「大賛成です」「その理由は?」「痴漢と間違われることの防止です。むしろ、女性専用車両数をもっと増やして、男女別に乗車車両を分けたらどうでしょうかね!」確か、小生は、こんな風に答えたと記憶している。

自分に対する痴漢という「えん罪」を未然に防止するため

実際に、小生は今でも公共交通機関を利用するとき、特に地下鉄やJRに乗るときは車両の連結部分に身を置く痴漢という「えん罪」に巻き込まれないためだ。連結部分は人が少ない=女性も少ない。まさに、「触らぬ神にたたりなし!」小生の座右の銘である。以前、「それでもボクはやってない」という映画(2006年)があった。まさに痴漢という「えん罪」を晴らすために主人公や彼の友人・同僚、弁護士などが実際の車両での状況を再現して無罪を立証しようとするストーリーだ。日本の刑事事件においては、起訴されれば有罪になる確率が高く、実に95%を超える。この面からも、痴漢という「えん罪」を晴らすために敢然と立ち向かっていくストーリーが多くの人から共感を得たのだろう。「それでも、あなた有罪!」と冷たく言い放った小日向文世が演ずる裁判官の冷徹な言い方は、ラストシーンでひときわ目立っていた。
えん罪や医療事故などにおいては、その真実を立証するために奔走するのが、常に被害者である、という側面がある。痴漢という「えん罪」を払いのけて無罪を立証するのも、本来は何も関与していない起訴された市民。医療事故で身内を失った人が、医療機関や医者を相手取って医療事故を立証するのも身内を失った被害者。こんな構図は、本来はおかしい!犯罪を立証するために被害者が矢面に立つということ自体が常軌を逸していると思う。これは、まさに、パワハラ被害者がパワハラ加害者を訴えて、自分が受けたパワハラ被害を立証しなければ加害者が処分されない・・という現代社会のゆがんだ構図ともリンクする。いつの時代にも、泣き寝入りするのが被害者・・では、あまりにも理不尽すぎる。

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