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稲葉ジャパンを中立的な視点で振り返る。

事前に批判の多かった稲葉ジャパン。メンバー選出の段階からダメ出しが多かった。ここで改めて振り返りを行うことで、代表戦に生きる視点を、閲覧してくださる皆さんと共有したいと思う。

投手 野手
青柳 梅野
岩崎 甲斐
森下 山田
伊藤 源田
山本 浅村
田中 菊池
山崎 坂本
栗林 村上
千賀 近藤
大野 柳田
平良 栗原
  吉田
  鈴木



まず、事前のメンバー選出についてどうだったかを振り返る。全体的に、個別の投手コンディションを問題視する声と野手の手薄なポジションの選出に対する不満が多かった。特に怪我の疑いのある投手の選出や、本職の少ない三塁手と中堅手のケアは課題であった。

1、サードが怪我したらどうするか

今回の侍ジャパンのうち、リーグでサードを守っているのは村上のみ。村上が怪我した場合に誰が守るかということを考えなければならなかった。選出から見ると、栗原が第一線、源田もあり得ただろうが、特に源田は社会人時代からショートを守っており、プロでももちろんショートだ。(源田はトヨタの9番で現ロッテの藤岡がサードで3番や1番)。急造のサードでミスが生じないかは不安であった。

2センターは柳田

侍ジャパンでは5人の外野手を選出した。そのうち、センターは柳田だが柳田自身はチームでセンターを守る試合が減ってきている。柳田は怪我が多い選手であり、他の選手にはセンタータイプがいないのでどうなるかは課題であった。結局柳田は全試合出たため事なきを得たが、リスクとしてどうだったか。

3大野、千賀、山崎

いずれもコンディション不良。山崎は五輪への意気込みが強いため買ったようだ。懸念されていたがほぼ問題はない選出。

3ショートは坂本で良かったのか(私個人)

ここ(項目3)は開幕する前の私の問題意識なので、読み飛ばしても構わない。

結論は坂本で良かったが、坂本は2019の国際試合で大不振に陥ったので後継者という意味で使ってもらいたかった。加えて、守備力や走力、小技の高さある源田の起用を願った。坂本が打てなけれ ば源田の方が良いのだからと。ほとんどのライター、解説者はスタメンに源田の名を挙げなかった。私は源田推しだったが、坂本を過小評価してしまった。

4捕手は甲斐でいいのか

守備で選ぶなら投手防御率の良い甲斐を選ぶべきだが、甲斐は2割6分のキャリアハイを持っているが安定しておらず打撃に期待できるバッターではないとされていた。得点力が未知数な以上、打撃を取り、大城という選択肢もあったはずだ。

5代替案について

センターが欠けることに備え、私なら近本の選出を選択した。打撃、走塁、守備の三拍子を備え怪我しづらく安定した成績を残しているからだ。近藤はミート力の高さがずば抜けているので栗原と入れ替えも面白かったと思う。

また、サードが欠けることに対する不安があるなら鈴木大地の選出はどうだろうか。打撃成績は2割7分以上を安定して記録、昨年キャリアハイで3割近くの打率を残す。打撃スタイルとして待球型でケースバッティングを評価され、現在楽天で2番を打つ。内野全てをレギュラーで守り、ゴールデングラブ賞をセカンド部門、サード部門で受賞。ロッテ時代はレギュラーとしてショートを何年も務めた。

評価できるポイント


①先発投手を読み違えず、納得できる投手を選んだ

山本、森下、田中。いずれも高いピッチングを示した。田中も三振は取れており、評価を下げるほどの内容ではなかった。捕手に甲斐を選び、セカンドに菊池を置く守り勝つ野球が功を奏した。

②山田、坂本ラインがハマった。

開幕前は、正直なところ2番に坂本はないだろうと考えていた。坂本の打撃はメンバーの中で8番ぐらいがちょうどいいと見ていた。しかし、開幕するとタイムリーやチャンスメイクで2番の仕事を十二分にこなし、得点能力を大きく向上させた。

③代わりの効かない選手の打順を下げ、怪我リスク対策をしていた。〜考え抜かれた柳田と村上

なぜ村上が8番か、なぜ柳田が6番かという疑問だったが、先述したように2人に代えを出しづらい状況だったため、怪我の多い柳田に打撃走塁負担の大きい柳田を1番に置かず、比較的勝負を避けられやすい6番に置く。結果として浅村の後のチャンスでも打順が来るし、菊池勝負を選ばれやすい。

菊池は右なので、代打左バッターとして残した近藤や栗原を使えるという寸法である。もし、村上が柳田の後の7番なら柳田勝負で厳しいボールが向かい怪我のリスクが高まる。これは隠れた名采配として評価されるべきだ。

最後に(なぜ稲葉の采配は叩かれるのか)

事前のメンバー選考の段階から、稲葉が批判されたのは過去の実績の重視とミーハー的選出があったからだ。山崎、千賀は怪我明けの不調、センターを守ることの少ない柳田以外にセンターを選ばなかったこと、ショートは坂本一本、若手枠にソフトバンク出身の打率下降気味の栗原などが疑問視されていた。その全てがデータが古いように見えるし、ミーハーのように映る。ただ、その選出は結果として勝利を呼び込んだ。最後まで戦い抜き、激闘を制した日本の選手と首脳陣に大きな敬意を表したい。

読んでいただき、ありがとうございました。

他の記事では五輪サッカーについて書いています。今回最も評価が分かれた選手は相馬や林、次点に久保、堂安でしょう。採点を設け、重点的に扱っているので良かったらご覧ください。



野球がまた五輪に選出されることを願って…では!

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