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東京五輪サッカー、全試合通しての採点-久保は?堂安は?相馬や林は?

満点は8点です。グループリーグから決勝トーナメント、延長、PK全て見ています。選手のプレーは本当に素晴らしいものでした。


守備陣

GK 谷 7.5点 ニュージーランド戦でpk戦勝利の立役者となりスペイン戦ではファインセーブを連発。パンチングかキャッチかの選択、飛び出しのタイミングが絶妙。フィードやビルドアップに課題。

右SB 酒井 7.5点 OA枠として出場。元々の攻撃力、1vs1の強さがキラリと光っていた。スペイン戦での1vs1は絶妙。全戦を通して、自陣からのボール運びによる押し上げ、敵陣での崩しで活躍。

CB 吉田麻也 7点 OA枠かつキャプテン。スペイン戦でのPKを防いだプレーは見事。完全にボールのみを弾き、味方のパスミスを帳消しにした。自身もパスのミスが見られたが、守備は安定しており、自陣からのボールの押し上げも決まっていた。チーム作りの礎としても高ポイント。全試合フル出場。

CB 板倉 6.5点 デュエルで負けるところが少ない。また、長身でコーナーキックではヘッドを放つなど攻撃にも貢献した。ビルドアップと吉田にも見られた点だがロングフィードが少ないのがマイナス。NZ戦のようにボランチの田中や遠藤が相手にマークされていたとき攻撃が停滞した。

左SB 中山 6点 長身のサイドバックとして左を守っていた。守備陣全体として連携し、攻撃を防いできた。1vs1の局面はほとんど見られなかったのも連携がうまく行っていた証左だろう。攻撃面での連携に課題があり、相馬や旗手らとの左サイドからの崩しが少なかった。

中盤

ボランチ 遠藤 7点 OA枠。1vs1はもちろん強いが2人でも3人でも引きずって縦に行くプレーやボールキープも見られ、代わりが効かない選手だった。スペイン戦はフル出場。他もほぼフル。そのためか最終のメキシコ戦では動きが重く、守備での戻りやプレスに遅れが見られた。

ボランチ 田中碧 7点 攻撃のスイッチを入れる役目だった。パスの行き先は林、久保、堂安、上田、相馬など幅広く、縦パスが効果的に決まっていた。田中にマークが入ったニュージーランド戦ではかなり苦戦を強いられた。敵のカウンターに対し、ハーフウェーライン付近から的確な対処を見せる。こちらもほぼフル出場。

2列目 堂安 6.5点 守備的な貢献と久保との連携が目立った。運動量が多く、相手のカウンターになる前に堂安が寄せ、ワントップの林とともに前線での守備を果たした。久保との連携が多く、相馬や林によるチャンスを演出した。サイド攻撃もエリア前での崩しも久保と堂安がいなければ始まらない。一方で10番をつけ、果敢にゴールに挑むも相馬の切り込みから得たPKによる一点のみなのは物足りない。カットインも飛び出しも決め手を欠いたが、それでも評価を下げるものではない。しかし久保とのショートコーナーといい、少しプレーが右に偏っていた感はある。もう少し、左の相馬にボールを出して欲しかった。全体的にボールロストも少なく、運動量も多かったが、最後のメキシコ戦は動きが重そうだった。ボールロストの不用意さは指摘されているが、顕著だったのはメキシコ戦のみ。気になるところは少ない。ボールロストよりキープによる貢献が大きい。

2列目 久保 8点 パスやドリブル、シュートどれを取っても一級品だった。右サイドからの切り込みシュートはチームを救う1発だった。堂安との崩しも的確であった。プレースメントキックではクロスもシュートも狙いがはまっていたように見えたが、コーナーキックで堂安とのショートコーナーはオフサイドを招いたこともあり、チャンスにつながらなかった。左サイドを使わない傾向があるように思えたが、最終戦で相馬へのパスが多く出されていた。守備の面で運動量を発揮することが少なかったが、最終戦では自陣深くまで下がり、ボールを受け、まさに守備、攻撃の要。王様であり、兵士でもあり、騎士にも変わった。

2列目 相馬 7点 どんな相手でもクロスを上げられる。久保や堂安は中を使って崩すタイプだが、相馬は1人でも突破できるぐらいの強い突破力を持っている。スペイン、メキシコをはじめとし、相手は相馬のスピードに対処できずカードを連発した。縦を切れる強みの秘訣はドリブルのときの加速力であり旗手や三苫とはまた違う。違いを出せたプレイヤーである。

外だけでなく中への侵入が見られたのはまずメキシコ戦でPKにつなげたプレーだ。その後戦いを経るにつれて、スペイン戦では延長でクロスを上げるとともに、ハーフウェー付近からの中へのボール運び。最終戦は1番中への意識が見られた試合だった。久保との崩し、エリア内での裏抜けなど存在感があった。守備も献身的で致命的なところはない。課題はシュートとクロスの精度だ。どちらもマークを振り切ったり、躱したあとのプレーだがフリーでシュートを大きく枠外から外したり、クロスが合わなかったりした。

それでも、縦に抜けるドリブルは相手を問わず通用したし、裏抜けもできる。クロスやシュートの精度の低さと一つのパスミスが批判されているが、そのマイナスよりプラスが大きい選手だった。スペイン戦で、アセンシオのゴールが決まった後、思いをつなぐクロス、ドリブルが見られた。

FW

FW 林大地 7点 大迫勇也を感じさせる選手だった。プレスを積極的に仕掛け、攻撃を遅らせる。攻めでは2列目を生かすプレーをする。ポストプレーはもちろんボールキープもこなし、相手の攻撃の芽を摘むプレーを見せてきた。裏抜けもでき、たびたびエリア付近でボールを受け、堂安や久保に回したり、ときにはシュートも打った。無得点であったが、上田との違いが目立った。オフサイドポジションからボールを受け、オフサイドが多いことやシュートが枠外に行くのが懸念されているところだ。たびたび消えたり、最終戦のように体が重いように見える試合があり、評価を下げた。

サブ

三笘 7.5点 森保ジャパンではコンディション不良なのか、それとも采配上使われなかったのか、いずれにせよ出番が限られていた。ドリブルによる突破力はもちろん、パスセンスも買われている選手であったが、相馬や旗手らとポジションが被り、不遇であった。ドリブルで仕掛けたときのボールロストを批判されていたが、最終戦で吹き飛ばした。得意のドリブルは左サイドで生き、縦に強く進むと、エリア内へ侵入、ゴールを奪った。また、裏抜け、ボール受け、上田へのラストパスなど攻撃パターンを作り出した。

たびたびやり玉に挙げられていたグループリーグメキシコ戦でのボールロストもあるがその多くでボールを奪い返しているので問題ない。その試合ではボールのキープも出来ており、相手陣内で時間を使ったことからスタンドプレーという評判には疑問符。

旗手 7.5 中に張れる選手だ。ショートパス、ドリブルを駆使してチャンスを作り出した。久保や堂安との連携が良い。特に評価できるのは度々狙ったシュートだ。チャンスと見るやシュートを放ち、その一方で切り崩しもできる選手だ。相馬より上回るシュート能力がきらりと光っていた。中の旗手、外に張る相馬。評点で相馬より高くつけたが、シュート能力が高いことに尽きる。相馬は最終戦で中への意識がかなり高いように見えた。縦への突破は見られず、久保との崩し、カットイン、シュートに集中したが、そのプレーは旗手の方が適任と判断され、後半引っ込められたように感じる。相馬のフリーのシュートは旗手なら決められたかもしれない。

上田 5.5点 ポストプレー兼ストライカー。チャンスで抜け出していることが多い。フランス戦では枠内へのシュートを多く放ち、得点のきっかけを生んだ。一方で、守備意識があまり高くない。ボールを収める能力は林に劣り、前線でのプレスでは林と比べ物にならないぐらい貢献度が低い。特にスペイン戦では本当にプレスが少なかった。森保から『綺世ー、戦うよー!!』という声が飛んだが、恐らくはプレスをしろという指示だと思う。

森保 6点 OAはこれ以上ない人選。守備面に問題はない。三笘を使うなら、田中や旗手と一緒に使うべき。久保堂安同時下げはありえない。やるなら久保だけ下げるのが賢明だ。延長戦で相馬に思いを繋いだ直接の理由。スペイン戦の上田投入に疑問。ポゼッションある状況ではないのだから林続投だろう。林がこなしていたプレスを続けられないのに、変えなかったのが失点の遠因。

おまけ(アンチについて)

久保、堂安批判はありえない。彼らあっての相馬や旗手。

相馬批判もありえない。縦抜きが出来るのは相馬のみで、スペインをきりきり舞いにした相馬以上に縦抜きができる選手はいない。

林批判もありえない。林がいなければ堂安や久保のプレーが制限されるし、それこそ堂安久保頼みになってしまう。守備面での負担がボランチ以降に降りかかる。カウンターが出来る強みは林のみ。前田だとポストプレーや守備に疑問符。

本当に読んでいただきありがとうございました。フィードバックはコメント欄にてお待ちしております。







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