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スポーツをできる環境は贅沢なことだと初めて感じた「スイマーズ 希望を託して」

好きで始めたスポーツでも、やりたくない日、気乗りのしない日があります。義務感にとらわれたり、サボりたくなったり、いやいややったりすることもあります。

そんな時に出会ったのが、この映画。オリンピックを目指していたシリアのスイマーの女の子が、難民としてドイツに渡り、そこで水泳を続け、2016年のリオ五輪に難民チームとして出場するというストーリー。

難民チームはリオ五輪から導入され、東京五輪にも出場というが、それ自体知りませんでした。難民というと、その存在は報道で知っていても、どこか遠い国の別の出来事のように感じられます。この映画は、少女のストーリーを通して、難民の方々がどのようにして自分の国を出て、他国に行き着くかをリアル感を持って教えてくれました。海を渡ったのはいいものの、ボートが沈みそうになり、ボートを降りて、泳いでギリシャまでたどり着たこと、難民を食い物にする悪徳業者にお金を巻き上げられたり、女性だから起こる耐えられないこと。平和な国に住んでいる私たちには考えられないくらいの至難の数々。

彼女たちも普通の女の子。他の国に生まれたならば、どれだけ水泳の練習に費やすことができたかを考えると、人生って不平等だと思ってしまいます。

そして、映画の主人公のユスラ・マルディニさんのお父さんも元水泳選手。だけど五輪への出場を諦めたのは、兵役で2年間水泳の練習ができなかったため。スポーツ選手にとって空白の2年間はあまりにも大きく感じます。今、ロシアとウクライナで起こっている戦争。スポーツ選手もピアニストも皆、思うままに練習はできていません。どれだけ悔しいか、どれだけ絶望しているか考えるだけで胸が痛みます。

このような映画を見ると、当たり前のようにスポーツにチャレンジできる日本はなんて贅沢なんだろうと思いました。スポーツできるのが当たり前ではないんです。スポーツができる環境にいることにもっともっと感謝をして、楽しくやりつつも、常にベストを尽くそうとあらためて思いました。


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