見出し画像

妊娠中の食事でアレルギー発症予防にいいものはありますか?

子どものアレルギー疾患の発症予防を目的として、全ての妊婦に摂取することを推奨できるような食事は現在のところありません。

特定のものを極端に摂取・除去したりすることなく、バランスのよい食事を心がけることがよいと考えられます。


プロパイオティクス、ビタミンD、多価不飽和脂肪酸など、話題となることが多いものについて、下記に記載しました。


1)プロバイオティクス

妊娠中からのプロバイオティクス(ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌など)摂取は、子どものアトピー性皮膚炎の発症を予防できる可能性が報告されています。

ただ、全ての妊婦に推奨できるほどの根拠はありません。

しかし、安全性は高いので、保護者や同胞にアレルギー疾患を有する場合には、摂取を考慮してもいいでしょう。


2)ビタミンD

アレルギー疾患にビタミンD欠乏が関与しているのではないかと考えられており、妊婦中のビタミンD摂取によって、子どものアレルギー疾患の発症を予防しうる可能性が報告されています。

しかし、アレルギー疾患の発症との関連を認めていない研究結果も複数あり、現時点では全ての妊婦に摂取を推奨するには至っていません。


3)多価不飽和脂肪酸

魚油などに含まれる多価不飽和脂肪酸の妊婦中の摂取が子供のアレルギー疾患の発症を予防できる可能性が指摘されています。

しかし、現時点では、全ての妊婦に摂取を推奨するには至っていません。


4)その他

妊娠中の果物・野菜・魚の摂取が子どものアレルギー疾患の発症低下に関連し、植物油・マーガリン・ナッツ類・ファストフードの摂取が子どものアレルギー疾患の発症の増加に繋がる可能性が報告されていますが、これらに関してもまだ検討が必要であると考えられる。



<参考資料>

小児のアレルギー疾患保健指導の手引き

https://allergyportal.jp/wp/wp-content/themes/allergyportal/assets/pdf/tebiki-1_1.pdf

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?