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五感を刺激し、感性を呼び覚ますトキ。 ーそれは、本番のその瞬間に


大きな本番を終えた後、
私は毎日毎日夢をみます。
ある日はカーテンコール。
ある日はかぐやの誕生した一場面。
音と空間と踊りが同期され、脳内再生されている感じ。
今回は、ミーティングをしている風景ではなく、
本番の風景が毎日出てくる。
それほどまでに、全ての要素が折り重なり、一つのカタチになった時、
あまりに美しくて尊くて、頭に焼きつく印象を帯びていたのだと思います。


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この度は、
Dramatic Dining 主催
「Shadows of the Flower-華の影たち-」
にお越しいただき、また、ご協力いただき本当にありがとうございました。

DDは"文化""食"も包含する複合的なイマーシブシアターを通じて、
五感を刺激し感性を呼び覚ますプロジェクトですが、

それを生み出すのはすべて"ヒト"であり、全員の想いやプロフェッション、努力が積み上がった先についに輝きを放つ。
沢山舞台を作ってきたけど、特に今回はそれを強く感じました。

多くの"ヒト"と関わり協力し、時には不安やイガイガした想いも抱え、
抱えさせてしまいも進んできたその軌跡をほんの少しだけ綴ろうと思います。

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-DD Asakusa制作後記-
①企画、作品編
②制作、クリエイティブ編
③フード編
④イベント運営、広報、組織編


①企画、作品編

これは、同じく共同代表を務める、竹島唯との出会いがすべての始まり。
同じ目標や熱量をもって作品づくりをできる人なんて、そうそういません。
"一緒に花火を打ち上げよう"と動き始めました。

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      △まともな写真なし…w

実は、場所探しと、企画コンセプト設定に約1年をかけていて、
最初は、ホテルに行ったり、千葉に行ったり、SpaceMarket見たり、なかなか悩み、、

ですが、後輩の一言をきっかけに、浅草は観音裏にほれ込み、そこからは一意専心。熱意と資料片手に、浅草見番や料亭都鳥をお伺いしたことは今も記憶に新しいです。

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▽詳細はクラウドファンディングに。
https://readyfor.jp/projects/dramaticdining

"芸"のプロである芸者さん、そして花柳界の皆さんは、新しい芸に対する懐が圧倒的に深く、前例のない挑戦に耳を傾け、よく相談にのってくださったことが開催できた理由の一つだと確信しています。

また、それは、やがて作品のストーリーのコアにもなりました。

この街の華である芸者、彼女を取り巻く人々。
この街には、
芸者衆を中心に芸者を育て料亭を切り盛りする女将、
身支度をさせる女中、人力車の車夫たち。贔屓の旦那衆。
たくさんの影たちがただよい、さまよい、世界をつくる。

それが、「Shadows of the Flower-華と影たち-」の世界です。

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②制作、クリエイティブ編

全員で28人のキャスト、6人の演出チーム。

非言語で、全員が同じシーンを見るわけではないというイマーシブの特殊な構成の中、思い描いたものをカタチにする作業は、ま、、、、じで難航を極めていました。

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各ナンバー、誘導、アクト、移動に転換、音、照明、衣装も、イマーシブは前例がないのです。
1人の行動が互いに影響しあう、立体的なパズルは途方もなく、導線のpptも気づけば120Pくらいの超大作。

"見せたいもの"はなにか、"伝わる"とはなにか、何を削って何を残すか、議論し、作っては壊しを繰り返してじりじりと作っていきました。

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公演づくりのクセなのか、本番までのスケジュール上、壊すことを恐れる私に、臆することなく作り直しを提案し、高見を目指してくれたのは、まぎれもなくMain Castのcalin、YOH、新藤静香、iona。そして、All Cast Numberを引っ張ってくれたajaの5人。表現者としての圧倒的なオーラ、スキルはもちろん、突き詰めるこだわり、格好良さをを改めて尊敬したし、
結果として、それに呼応するような形で、全員が出演部分のみならず作品全体に目の色を変えて、取り組んでくれたことがこの作品の価値に繋がったと思います。

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演出チームの苦労も筆舌に尽くし難いもので、合宿に徹夜、、発狂寸前、というか発狂したね。舞監のせーや、導線統括のpaco、演出補佐のみずきち、杏珠。DDの苦労はすべて反響でしか癒せないよ、絶対よい作品になるからごめんねもうちょい頑張ろう大好きなマイメン達、、と
心の中で詫びながら毎日進めました本当に本当にありがとう。

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共演の千華さん、こま晶さんも、圧倒的な存在感を放ちながら、普段はないであろう舞台を飛び出した演出にも一緒に試行錯誤してくださいました。
お稽古を見させていただいたり、三方礼の練習をしたり、垣根を越えて共創できたことは、メンバー一同喜びもひとしおでした。

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サウンドチームと照明チームが神業連発してくれたことも大きいです。本番照明音響卓のそばにいたんですが、全館で音が制御され、照明も会場のあらゆる所でついていく様は、一種の興奮を覚えました。爆
職人たちはかっこいいなーーー、スーパーマンたち心強かったです。

クリエイティブは、yui&ぽきたろーの洗練された技の数々。
ちなみに、小道具で沢山でてきた古っぽい紙、あれは実はコーヒーで染めているんです。人気クリエイターひらっちゃんのDirectionのもと、150点以上あった小道具、美術は1つ1つ手作りされて行きました。
杏珠中隊長、細かく最後まで粘ってくれて本当にありがとう。

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そして、すべての写真は、神宮司秀将、AYATO.さん撮影によるもの。
臨場感やその場をまとう空気までその一瞬を切り取る彼らの写真や映像はピカイチです。

③フード編

コロナの影響で、作中のFood提供をなしにした本作。
苦渋の決断だったのですが、本作、内容的にも構成的にも込み入りまくっていたので、
結果として、ギフトボックスのご提供、食べるか食べないかは、お客様次第のスタイルでよかったのでは、なんて思っています。

フードプロデューサーLisaの率いるFoodStoryProjectのメンバーによるボックスは、彩りも、味もめちゃうまくて、私のわがまま全部詰め込んでもらいました。

・竹から生まれた赤ちゃんかぐやのふにふに
・満月を彷彿とできるもの
・浅草を体感できるもの

DDの食世界は作品に深く結びつき、それを実現してくれるのは、長い付き合いの彼女だからこそ。Lisaの見ている世界もとても広いので、
もっと食に寄りまくりの作品作るのも楽しいよなーーーなんて思ったりもします。

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④イベント運営、広報、組織編

そして、このイベントのもう1つの側面である、イベント運営や、フードの提供。全てのフローを管理し、告知~チケット販売~ご招待~料亭前~見番~ギフトの提供まで。DDをさらに立体的なものに昇華させ、お客様の体験価値を高めてくれたのは、河野珠里を筆頭にCommunication Teamの面々。

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作ることと同じほどに伝えることが大事だし、ダンスを知らないお客様にもDDを楽しんでもらうために、よりナラティブな体験を提供する重要性が求められます。

当日までは各自のプロフェッションを、
そして本番間近~当日は、お客様のおもてなしに力を貸してくれました。

お客様から、冒頭部分から世界観に引き込まれたというご感想をいただけたのも、このチームが結成されてからも1年弱一緒に過ごしてきた中で、
世界観の共通認識をもって、提供できた成果なのではと、非常に嬉しく思いました。

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また、このチームは、このプロジェクトを一過性のものではなく、未来に続く組織づくりのためにその土壌を考えてくれている仲間でもあります。
今回を経て、今後やはりダンサー達からもフラットに意見を吸い上げて、ハイブリッドな組織づくりを目指したいなと強く思いました。

まとめ

と、長くなりましたが、
紹介しきれない一人ひとりの影での努力や、志も折り重り、見えた1つの形が本作です。

終演時のご挨拶で、「私たちの作品は、お客様の中で紡いで初めて完成します。」とご説明いたしましたが、最後の最後は来ていただいたお客様、そして私たちの中で全てのピースが繋がって、1つのアートになるのが、
イマーシブシアターの面白さ、そしてDDの価値だと思います。

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最後になりましたが、
現在は、神宮司秀将を映像監督、北郷裕太郎さんのスペシャルエンジニアリングのもと、来週末のオンライン配信に向け目下準備中です!

お客様自身で作中の分岐を"選択"して自分だけの物語を紡いでいく
本編同様、気になる登場人物を追いかけて、
まるでRPGゲームのような没入体験を味わいませんか?

「Dramatic Dining ONLINE IMMERSIVE」
【公演日程】
12月5日(土)12:00-12月7日(月)11:59の48時間限定。
【チケット価格】
1500円https://www.dramaticdiningasakusa.com/dramaticdiningonlineimmersive

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チラシ_裏_201118

これまた新しいことに挑戦しているので、ぜひぜひ!ご検討いただけますと幸いです。凄く長くなりましたが、最後までご覧いただき、ありがとうございました。

今後とも何卒宜しくお願い致します!

撮影:神宮司秀将、AYATO.

Kaoly

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