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『日常と非日常を行き来する』参加者レポート(7)

レポート作成者:山川恭平

ドラマチック界隈『日常と非日常を行き来する』、劇作家・演出家・俳優の三つの役割を体験してもらうという触れ込み。
ワークショップで演出家・俳優を体験するということなら何となく想像つくけど、劇作家はどうやるんだろう、と参加する前は思っていました。

実際に参加してみると、一部が空欄になった台本が渡されました。チームに分かれてその空欄をなるべく他のチームと被ることのないようなワードで埋めてみる。そしてそれを自分たちでそのまま演じるのかと思ったら、穴埋めして完成した台本はシャッフルしてそれぞれ他のチームの作った台本を演じるというのです!
台本を作るという劇作家の作業を体験するだけでなく、他の人たちが自分たちの書いた台本を演じるとこんな風になるんだ、という劇作家の気持ちも体験することが出来ました。やはり自分の発想を超えたものが出てくると、凄く面白いと感じました。

次に渡された台本にも空欄がありました。最初の台本の空欄は単語を考えて埋めれば成立するものでしたが、こちらの場合は文章が丸々空欄になっていて、どういうやりとりが生まれるかを考えなければなりません。主人公の女子高生が実は宇宙人であることを隠しつつ卒業を控えており、好きな先輩に告白したは良いものの、もうすぐ宇宙に帰らなければならない、という内容でした。空欄になっているのは実はもう一人の宇宙人である先生が、主人公と先輩が話している間に入ってきてやりとりをして去っていく、という部分でした。
今回のファシリテーターの大池さんは作風として、少しファンタジーな設定が入ってくるとのことで、それが今回のタイトル『日常と非日常を行き来する』に繋がっていました。でも普段役者として活動している自分にとっては、劇作家になることがまず無いことなので、劇作家・演出家・役者の役割を行き来することが、“日常と非日常の行き来”になってるな、と思いました。

赤ペンでサササーッと添削するように、各チームの発表から個人の細かい良いところを拾って伝えてくれる大池さんの姿も印象的でした。

ドラマチック界隈を#1~5まで、全て参加させて頂きました。
全ての回を通して感じた印象はとにかく優しいこと。
参加者のやりたいこと・意思を出来る限りファシリテーターが拾おうとしてくれる。
包んでくれるような肯定感があるから、参加者の方も自分からアイデアを出していきやすい。集団創作において役者も演出家も、役割が違うだけで立場としては平等。
そんな空気感がありました。ドラマチック界隈には良い空気が流れていると思います。
今回も楽しかったです。

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