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愛すべき靴工場の仲間たちへ【キンキーブーツ2022感想】

こんにちは、キンキーブーツのオタクです。

冒頭から「何言ってるんだ?」という感じかもしれませんが、ミュージカルの中で一番金と時間を割いてる作品がキンキーブーツなので、堂々ともう一回書いておこうと思います。


こんにちは、キンキーブーツのオタクです。


これから2022年、再再演を成し遂げたキンキーブーツについての感想したためます。興味のない人はそっと画面を消してください。

わたしとキンキーブーツ

したためる前に「お前のキンキーブーツにたいする愛はどのくらいなんや」と思う人もいると思うのでまとめておくと

映画視聴済み、ブロードウェイ(現地)複数鑑賞済み、東映映画館複数回鑑賞済み(数えるの忘れた)、日本版は初演・再演複数回鑑賞済みです。


ブロードウェイのわたし


我が第一子にはローラと源氏名をつけ、陣痛室でキンキーブーツのサントラを聞き子供を産みました。

陣痛室でキンキーブーツのサントラ流す女どんくらいいるのよ。
いたらぜひ友達になってください。仲良くなれる気しかしない。
お前とオレはマブだぜ!!!!!


過去のnoteの中でもキンキーブーツについて何度か書いています。


ちなみに今回の再再演は3回鑑賞済みです。
本当はもっと積みたかったけどいつ産まれるか分からない中、複数日チケットとるのはよくないので…。

実際我が家のローラは予定日を10日超過して産まれたので、今回の日程がマジでギリでした。あと二日さらにズレてたら、一回目の公演見れてなかった。ギリセーフ!!!

ちなみにもうおわかりかと思いますが、どの世界線においてもローラが最推しです。そうじゃなきゃ子供の源氏名にローラなんてつけませんよ…


今回の再再演について

さて本題。今回の再再演についてどう書こうかなと思っているうちに時が流れて、無事に大千秋楽を終えていました。
このご時世、改めて誰の欠員もなく無事完走できたこと、一ファンとして本当に喜ばしく思います。
おかしい、本当は大阪公演中にはUPするはずだったのに…。育児って時間泥棒ですね。



再再演が決まった段階からSNSでは様々な意見が流れていました。
わたしは日本版の初代ローラに落とされ、そこからキンキーブーツの作品にどっぷりハマった女です。そのため、賛否両論様々な意見が出るのは致し方ないと思いながらインターネットの海を漂っていました。

けど本作に限らず、世にある作品は【誰かのもの】ではなくみんなのもの。繋いで、多くの人に見てもらうことが一番大切と個人的には思っていたため、今回の再再演は「公演を決めてくれてありがとう!!」と喜んでいました。

一方で
・新しいローラはどんな解釈なのか
・その他のオリジナルキャストの解釈は変わるのか
・新しいカンパニーの色はどうなのか がとても気になっていました。

話の筋や演出はBW版と変わらずとも、演じる役者やカンパニーによって雰囲気は変わるもの。
頭ではわかっていたものの、再演の時のキンキーブーツがわたしの中で歴代NO1といっても過言でないものであったため(最強すぎた)、本作の柱であるローラが変わってしまうことによって、どのように変化するのかわからず、怖い部分もありました。

再演で最強だと思ってたメンバーでいつか来る再再演も当たり前のように見れると思ってたからね。正直なところ。
再演が終わった段階で、勝手に再再演がある前提で「最強のメンバーで作る、年を重ねた再再演はどうなっちゃうの…!?」とか思ってたから。

舞台は一期一会


少しだけ話がそれるのですが、むかし緒形拳さんの一人舞台があったんですよ。
当時も演劇大好き高校生だったわたしは、それが見たくて見たくて仕方なかったんですがいかんせんお金がなかった。バイトができない山の学生には少しチケット代が高すぎたんです。一か月のお小遣いよりも高いチケットで、大人料金しかなかったんですよ。

「次の機会に絶対緒形さんの舞台を見る!」と決めて、そのチケットを諦めたのですが、その翌年に緒形さんはお亡くなりになり一生見る機会がなくなってしまいました。

その時身をもって「舞台は一期一会」という言葉を痛感して、「これは見なきゃ後悔する」というものは親に頭を下げてお金を借りて観るようになりました。(大学に入ってからはバイト代で賄ったけど)

だからこそ、今回、ローラが誰もが考えようがなかった形でキャスト変更になってしまったことがとてもとても悲しくて、悔しくて「キンキーブーツという作品はどうなってしまうんだろう」と思っていました。
あの煌びやかで暖かい舞台に、一番愛と熱を持っていた人がいなくなる。どうなっちゃうんだと思っていました。


愛をもって次へバトンを繋ぐ


3回見てやはり思ったのは、今回のキンキーブーツは「愛をもって次へバトンを繋ぐ」公演だったなあということでした。


       (↑初回公演をみてのつらつらした感想)


「繋ぐこと」って、その動作を託された先によって質がぐんと変わるものだと思うんです。繋ぐことを「作業」として捉えてしまえば、無感情で右から左に流すことができちゃうものなんですよね。
例えば嫌な仕事とか、自分が終着点じゃなければ必要な動作だけで次の作業者にバトンタッチができるでしょう?

プロとして当たり前と言われてしまえばそこまでなのですが、今回の公演は至る所で、客席から見てて「綺麗に紡いでいる/繋いでくれている」と思う部分がありました。

超上から目線な書き方だなあって思うけど、キンキーブーツという作品がどうなっちゃうか不安だったわたしにとって、上演中にそれらが見受けられたことですごく安心できたんですよね。
大好きな作品に対して「今回の公演が最後かもしれない」という不安が「次もあるかもしれない」に変わるのってめちゃくちゃうれしくてありがたいことで。それを感じさせてくれる舞台で本当によかった。マジで。

パンフレットはもちろん、昨日の大千秋楽のカーテンコールでも「繋ぐ」という言葉がたくさん出たようで、客席側から感じたことは間違ってなかったんだなあと思ってほっとしました。

各キャラクター所感

さてここからはさらにオタクの感想を書きます。本当は一役1000文字ぐらい書きたいんですけど、一生終わらないのでローラとチャーリー以外のメイン張ってるオリジナルキャストさんたちの「わたしはここがすき」ってところだけ書きます。
普通にネタバレするんで嫌な人はプラウザ消してください。自衛してね!!!!

プライス&サンの従業員のみなさま

ローレン

初演から再再演まで一生かわいいのずるい。ローレンのソロ曲が一番の見せ場だとは思うんですけど、ローレンにスポット当たってないときの動きが実は好き。
あと、ローレンはチャーリーに恋してからチャーリー側にずっと立った動きをしていて、そりゃチャーリーも失恋を機に、だんだんローレンが好きになるよねって思うよ…。チャーリー反抗期の時、みんなが工場から消えた時も追いかけていったもんね…SUKI…

ドン

今回の再再演でドンと二コラ株がバカほど上がったんですよね。自分が年を重ねているというのがあるんでしょうけど。ボクシングのあとの「あるがままの他人を受け入れろ」も好きなんだけど、一番最初の注意事項での「ありがとな」が好きすぎる。FBに早く写真あげてくれ。

ジョージ

初演~再再演でメインキャストさん基本年を重ねているんですが、この方とチャーリーが年をちゃんと重ねてくださってるのがとてもよかった。反抗期チャーリーの時以外は、この人も全面的にチャーリーのやることを応援してくれるんですよね。頼れる大人として舞台の上に立っててくれて本当によかった。

パット

ジョージと同じく初演からずーっと見ていて靴工場に安心感をもたらしてくださる方。「男!男!」とうたわれるシーンが一番注目が集まるシーンだと思うんだけど、個人的にローラに「トイレはどこにある?」に対して答えようとするシーンに彼女の良さが詰まってると思うんですよね…。(セリフはない) 人柄の良さ…。

ロンドンのみなさま

※ロンドンにかかわりある人たちここに突っ込みます

二コラ

二コラお前めっちゃいい女だからね??!!!!!!(女友達目線)
再演・再再演とどんどん二コラが好きになっていく。初演の時は「すれ違いだわ~」ぐらいの感想だったけど、再再演で「こんなに親身になってくれる理解のある彼女さんよく待たせたな!?チャーリー前でろや!」ぐらいに思えてしまうのはわたしも年をとったからですね…。これからもまっすぐで美しい貴女でいてください。

ハリー

ワンシーンしか出てこないけど、あの曲めちゃめちゃ染みません?
「道を間違えたら戻ればいい」って、この言葉わりと重要だと思うんだよな。何事もストレートにうまくいけばいいけど、間違うこと絶対あるじゃないですか。そこで「やっちゃった」で終わらすんじゃなくて、戻って考え直す・動きなおすことができる人って強いなって思うよね。

エンジェルズ

一人ひとりプロフェッショナルの固まりすぎて結婚してほしい。
動きが美しくてかっこよくてかわいいなんて最高。初演~再再演までいつも「私たちは最強!」をやってくれて本当にありがとう。
エンジェルズがいつでも最強でいてくれるから、どんなローラでも受け入れられるところがある。大好きだよ~~~!!!!!

プライス&サイモン

この項目には大人と子供がいると思うのですが、まずは子役さんについて。
3回公演を見に行ったところ、全員の子役さんを見ることができたんですね。
どの子役さんも素晴らしかったです。子供産んだからかわからんけど、なんか見てて毎回泣けちゃうんだよね…。
途中で声変わりで降板してしまった子もいるんだけど、それもまた成長だなあと思っておりました。

チャーリー

初演から今回の再再演まで、ずっと小池徹平さんが演じてらっしゃったわけですが、本当にチャーリーを3回生きてくれてありがとう!という気持ちですオタクは…。

海外のチャーリーって割と30代なイメージ(人生そこそこ生きてる)なのですが、小池さんのチャーリーは年を重ねることに深みが増していっていて、見ていてとても面白かったです。

(海外のローラとチャーリー)


本作の中で「落ち着いてワンちゃん」とたしなめられるシーンがあるのですが、初演はそのセリフを聞いて「チワワ」と思ってたのだけど、再再演は「スコティッシュテリア」とわたしのなかで犬種が変わり。

初演のチャーリーは若さゆえ(経験値が浅くて)戸惑いながらも工場再建に「やるっきゃないっしょ!」と立ち向かっていくタイプのチャーリーなイメージだったのですが、今回の再再演は大人になったからこそ目の前のことに対しての「重さ」がわかるタイプのチャーリーだったなあと見ていて思いました。

ある一つの物事に対して、若いからこそ感じる「怖さ」と、ある程度年を取って見える「怖さ」って違うじゃないですか。演じているご本人も年を重ねて、経験を積んでという部分もあると思うのですが、初演~再再演まで、毎回同じ人物が演じているのに、ほんの少しずつ違うチャーリーが見れてとても嬉しかったです。

様々な魅せる曲がキンキーブーツにはあるのですが、小池さんのソロ曲だと【Soul of a Man】が一番その差が出てたなあって思います。


(BW版で失礼します)


インタビューやパンフの中にも書いてありましたが、今回小池さんとキンキーブーツのプロデューサーさんが動いてのキンキーブーツ3度目があったとのことで、本当にありがとうございました。

チャーリーが小池さんでほんっとによかった!!!!!!!


さて、ここまでで4500文字なんですけどみなさん大丈夫ですか?
この後本命のローラについて書かせていただきますけど、適宜休憩とってくださいね。オタクはうるさいですよ。


ローラ

まずは城田さん。二代目ローラとして生きてくれて本当にありがとうございました。
普通のキャスト交代とは異なる環境で、新しいローラと出会せてくれてとても嬉しかったです。

城田さんの演じられたローラの初見感想は「ドラッグクイーンを全面に出したローラだなあ」でした。ドラッグクイーンとして生きてきたローラが、チャーリーと出会うことで一皮向けていく…というイメージ。

前任の春馬くんのローラは、ローラとして「完璧」で、その完璧なローラの心の内をストーリーの中で客席から知っていくというイメージだったのだけど、城田さんのローラはストーリーの中で「こういう人なのか」と積み重ねてローラという人物を知っていくタイプのローラでした。
春馬くんと城田さんの解釈が全く異なっていたのが面白かった。

その解釈の差があるが故に二人とも魅せてくる曲が違ったのもよかったな。
城田さんのローラの魅せ曲は【Not My Father's Son】と【Hold Me In Your Heart】。

めちゃめちゃ感情乗っててオタク泣いちゃったよ…。


(日本版公式でフル尺ないからBWで)


昨日寝る前に城田ローラと春馬ローラを一言で表すと何かなって思ったんですけど、「親近感」と「憧れ」という言葉で腑に落ちました。
城田さんのローラは馴染みのショーパブでいつでも話ができるローラで、春馬君のローラは「このショーを観に上京しました!」みたいなローラだなと。

めちゃめちゃ距離が近くて「この人なら何でも話せるな」っていうのはたぶん城田ローラなんですよ。悪い男に引っかかって、泣きながら話をしたときに「あんたバカねぇ!けどあんたを振り回した男はもっとバカ!」みたいなかんじで笑い話に昇華してくれるのが城田ローラ。
人柄の良さにエンジェルズちゃんもついてく感じ。私も毎晩呑みに行っちゃう。

だからこそ、先ほど挙げた【Not My Father's Son】と【Hold Me In Your Heart】で、距離が近くなった城田ローラの感情がわかりすぎて泣いちゃうんですよね。わたしが。

対して、春馬ローラは「親近感」よりも「憧れ」が勝るローラだったなあと思います。
「この人になりたい」「この人とお近づきになりたい」と、見ていて自分自身ももっと素敵になりたいと思うのが春馬ローラ。魅せる力がとんでもなかったなと思います。一挙手一投足が本当に美しかった。
誰かの「憧れる人」になることって、狙ってできることじゃないじゃんね。


初演・再演・再再演と、いろいろなローラが見れて本当によかった。
二人のローラを観れて幸せでした。


また3年後にキンキーブーツが見れると勝手に思ってるんですが、小池さんが今回の座組を引っ張ったように、次回は城田さんが3年後もローラをやって、座組を引っ張ってくれないかなと思っています。
春馬ローラと同じように、城田さんにとっての「再演」でどんなローラと出会えるのか単純に見たいです。

もしスケジュール的に無理だとしても、新しいローラに会えるからいいんだけどさ。…いいんだけどさ!!!ね!!!
たぶん次のキンキーブーツはガラッとキャストが変わると思うからね!!!それはそれで超みたいよ!なんでかってわたしはキンキーブーツのオタクなので!!!!!


拝啓、三浦春馬様


当たり前のように、あなたが演じるローラを再び見る日がくると思っていました。それくらい、わたしにとってあなたのローラは憧れでした。
【Land of Lola】や【Raise you up】で、ステージの上を鮮やかに彩るあなたに何度恋したかわかりません。本当に素晴らしかった。

作品の持つ魅力があるのはもちろんですが、一番最初にあなたが全力で取り組んでくれたからこそ、この作品が多くの人の心に残って再演・再再演と公演が続いたのだと思います。


もし叶うのなら、あなたのローラにもう一度会いたかった。
煌びやかな赤のライトが舞台を照らす中、背筋をまっすぐに伸ばし、堂々とセンターに立つ姿をもう一度だけ見たかった。

けどそれはもう無理だから、あなたのローラはわたしの心の中にそっと閉まって、キンキーブーツの世界の住人をこれからも愛していけたらいいなと思います。

貴方のローラは、最高で最強で本当に本当に素晴らしかったよ。
ローラに出会わせてくれて、本当にありがとう。

「なりたい自分」になれますように


さてキンキーブーツは無事に幕を閉じ、キャストさんは新しい舞台へと、わたしも日常に戻ってきたわけです。
小さかった我が家のローラは2か月で6キロを超えて、毎日毎日元気に成長をして、毎日にこにこしたりぎゃんぎゃん泣いて、わたしの睡眠時間をごっそり奪っています。元気だね!

なんやかんや慌ただしく日々を終えて、何もできなかったなあと思うときもあるけれど、また明日も「なりたい自分」をこっそり心に描きながら頑張れたらいいなと思います。

次のキンキーブーツがはじまるとき、わたしはどんなわたしになっているかな。
どうか少しでも「なりたい自分」に近づいていますように。

そしてもう一度、靴工場のみんなに、チャーリーに、ローラに会えますように。




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