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#105 夜行観覧車(2013)-恐るべし子役(杉咲、中川、吉川)の底力

TVer 紹介文

鈴木京香主演。原作は、「告白」などで知られる湊かなえの同名小説。平成22年版犯罪白書によると、親族に対する殺人事件は増加し、今や殺人事件の半数を占めている。「殺人事件」は、あなたの隣、あなたの家でも起こりうる…。そんな殺人事件をきっかけに、崩壊した家族が再生し絆を取り戻していく姿を描くサスペンスドラマ!主人公・遠藤真弓を演じるのは、鈴木京香。真弓の憧れの存在で、向かいの豪邸に住む完璧な主婦・高橋淳子役を石田ゆり子。そして真弓の夫・啓介役を宮迫博之、自治会婦人部の部長・小島さと子役を夏木マリが演じる。そのほか、安田章大杉咲花宮﨑香蓮中川大志田中哲司高橋克典ら豪華俳優陣が顔を揃える。

制作スタッフに外れなし

「Nのために」「リバース」等、数々のTBS金曜名作ドラマを手掛けたカルテット(原作・湊かなえ、脚本・奥寺佐渡子、演出・塚原あゆ子、音楽・横山克)による作品ですから、その完成度の高さに間違いはありません。10年以上前のドラマとは思えないほど、引きこまれてしまいます。

高級住宅街に中流の家族が引っ越してくると…

見栄、プライド、差別、偏見、いじめが渦巻く高級住宅街で起こった殺人事件の哀しい結末、そして、その事件を機に暴かれていく家族の裏の顔が哀しすぎるのです。あそこまでリアルに描かれると好き嫌いが分かれてしまうでしょうね。それほど署長率が高くなかったのも頷けます。

子役残酷物語

あの当時は、コンプラの概念もBPO審査もなかったため、凄惨なシーンが平気で描かれていました。このドラマでその中核を担ったのが、中流階級ながら高級住宅街に引っ越してきたばかりにいじめの対象となる遠藤彩花(杉咲花)、裕福な家庭に育ちながらも、医師の父親・田中哲司からの冷たい仕打ちの影響がトラウマとなって奇行に走る高橋慎司(中川大志)。中心人物の鈴木京香石田ゆり子宮迫博之を遥に凌ぐ存在感を示していました。

堕ちていく2組の母娘

その他のポイント

彩花(杉咲花)を苛め抜く粘着質の同級生を演じる吉川里琴さんは、現在、吉川愛さんとしてご活躍中です。

面影がありますね

キーパーソンである住宅街の町内会長(夏木マリ)が溺愛する息子を小泉孝太郎さんが演じられるのですが、ひたすら溺愛されるだけで、事件にはまったく絡みませんでした。視聴者を惑わせるための演出のひとつだと思いますが、あまりの存在感のなさがちょっと不憫でした(汗)。

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