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#163 くるり~誰が私と恋をした(2024)-余韻に満ちたラブコメ王道

TVer 紹介文

生見愛瑠主演!記憶を失い、世界が“くるり”と変わったヒロインの手元に残された1つの男性用の指輪。指輪がピッタリとはまる3人の男たちの登場により、恋の四角関係が幕を開ける!生見演じる緒方まことはプライベートでも会社でも人に嫌われないよう、自分自身の素を見せず、悪目立ちしないように生きてきた24歳。しかし、ある夜に事故で自分にまつわるすべての記憶を失ってしまい人生が一変。カバンの中にはプレゼントに贈ろうとしていたであろう男性用の指輪が入っていたが、誰に贈ろうとしていたのかを思い出すことができないまこと。そんな前途多難なまことの前に、指輪がピッタリとはまる3人の男性が現れる。瀬戸康史が演じる西公太郎は、自らを“元カレ”と語るフラワーショップの店主。ストレートな性格だが、記憶を失くしたまことを見守る優しい一面も。まことが記憶を失う前に円満に別れ、今は一番の親友だと主張するが…。また、神尾楓珠が演じる朝日結生は、自らを“唯一の男友達”と語る、まことと同じ会社の同期。優しく包容力もあることから“ブランケット男子”と呼ばれ、社内での人望も厚く女性社員からの人気も高い。友人として記憶を取り戻してほしいという反面、記憶を失い生まれ変わったまことに時折、切ない表情を向けることも…。さらに、宮世琉弥が演じる板垣律は自らを“運命の相手”と語る年下男子。まことと運命的な出会いを果たし、その素性は謎に包まれている。記憶を失ったまことに惹かれ、猛烈なアタックを繰り返し、四角関係をかき乱していく。彼らの中の誰かが指輪の持ち主なのか!?そして、3人が隠している秘密とは?“恋の相手”と“本当の自分”を探すラブコメミステリー!

初回で魂わしづかみ

火曜日22時のTBSと言えば「定番ラブコメ枠」。「恋は続くよどこまでも」(2019)以来、まったくハマらなった自分にとって久々の超大作。ストーリーの詳細は紹介文に譲るとして、記憶を失った主人公が記憶を取り戻す過程はもちろんのこと、記憶の有無にかかわらず、本当の自分を探す姿に焦点が当てられていることに衝撃を受けた。昨今の主流となりつつある「記憶喪失系」ドラマの中にあって、他を寄せ付けない次元の異彩を放っていた。

この画像はイケメン好き女性向け

憑依型演者・生見愛瑠(めるる)

自然な演技ではなく、完全に憑依型。どんなキャラクターでも、実在の人物として迫ってくる感覚を覚える。「恋です~ヤンキー君と白杖ガール」のハチ子、「日曜の夜くらいは」の若葉、「風間公親」の千寿留、「セクシー田中さん」の朱里、すべてにおいて不幸感を体現していた。特に「風間公親」では第4話限定の犯人役だったが、出産の事実を隠しながら密室殺人を成立させるという難しい役をこなしていた。行く末恐ろしい天才だと思う。

遠くを見る眼差しが怖い

本当の主役は瀬戸康史

まことを軸に展開する四画関係の中、一転二転三転しながら最後においしいところを全部持って行ったのが、公太郎役の瀬戸康史。いかに記憶がないとはいえ、小悪魔的にふるまうまことに翻弄されつつも、しっかりまことを見守り、最後に、まことが探し求めていた指輪の相手であることが判明して、シンデレラの靴的な終焉を迎える。ドラマ終盤の存在感は、めるるよりも大きくなっており、男が惚れる男的なレベルに昇華されていた。

どっちが主役やねん状態

大団円(1)

結局、公太郎を含め、朝日(神尾楓珠)も律(宮世琉弥)も、記憶を失ったまことの気を引くために大ウソをついていたわけだが、全員、まことに謝罪し、腐れ縁の関係が続く。都合が良すぎる展開ではあるが、ストーカー疑惑などドロドロした要素をミステリーチックに仕上げるよりは、女性ファン向けの緩い終わり方に一定の意味があったと思う。

女性ファンをキュンキュンさせる意図が明確な終焉

大団円(2)

ラストシーンでフォーカスされたのは指輪と指輪。一方は、誰のために作ったのか分からなくなってしまったまことを常に奮い立たせていたネックレス。もう一方は、記憶を取り戻したまことが公太郎のために新たに作り直した指輪。シンデレラの靴を思わせる見事なラストシーンだった。

すばらしいエンディング

大団円(3)

「良いドラマに良い楽曲あり」を立証したのが「I wonder」(Da-iCE)。エンディングの絶妙のタイミングでこの楽曲が入り、ドキドキ感が止まらなくなる。ドラマ開始当初はその感覚を受け入れるだけだったが、終盤は楽曲の入りを楽しみに待てるようになった。Da-iCEのパフォーマンスも最高。


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