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夏休みにちょうどいい読み物

夏休みの課題図書にも良さそう。

「ロストオデッセイ 永遠を旅する者」
重松清 著
年齢 小学校高学年以降なら楽しめるかも

重松清自体が刹那の命の輝きを切り取るのが上手い(偏見)人というイメージ。
この作品以外なら疾走が一番お気に入りだけど破滅的すぎて絶対子供には読ませたくない。
ていうかナイーブな性格の人が見たら過呼吸起こしそう。
ということで今回はこちらの永遠を旅する者をお勧めする。
短編集だから読みやすいし。
元々はゲームの話らしいけどやってなくてもきちんと読める。
フリーレンとか好きなら多分ハマる。

あらすじ
永遠の命を持つ男、カイムがあらゆる時代を旅していく。
刹那の命を生きる人々の営みを通じて死ねない男の孤独を描いた作品。

ざっくりとした感想
爽やかな読後感とどこか心に突き刺さるような相反する気持ちにさせる。
限りある命をどのように生きるのかという人の命題に向き合った作品。
戦争で心を病んだ男や病気で死にゆく少女、二十もせずに人が死んでしまう天国に一番近い村の若者、あらゆる人々が生きる意味を永遠を生きるものに見せつけ、問いかけていく。
たくさんの人が生きていく様をカイムは見ることはできても死の先を見届けることはできないしそこで待つことも待ってもらうこともできない。
人の持つ命の輝きを観察者としての目線で悲哀と愛を込めて描いた作品。

読むのは簡単だけどなかなか心に来る。
個人的に宿屋の娘の話が好きだけど感想を書くとガチで涙が出てくるのでやめておく。
今も鼻の奥つんとしてるし。

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