VESAK DAY
本日5月26日は卯月の満月。
そして『VESAK DAY(ウェーサク・デー)』
仏陀の誕生だけではなく、その悟りや入滅も記念する日です。
???仏陀のお祝いといえば4月8日の花まつりでは…?
紀元前450年頃にインドで始まったとされる仏教は、あちこちへ伝わる中で、色々に変化しています。
お釈迦様の死後数百年で原始教団が分裂しながら、諸派となっていきます。
大きくは、南畝に伝搬し、初期の教えを模範としている上座部仏教、紀元前の終わり頃には北方に伝播し、飛鳥時代に日本にも伝わることになる大乗仏教に分けられます。
【仏陀のお祝い】
日本や中国などの大乗仏教の国々では、仏陀釈迦牟尼は4月8日に誕生し、悟りを得たのは12月8日、涅槃に入ったのは2月15日といわれています。日本では4月8日の花まつり(灌仏会)が知られています。
タイやスリランカなど上座部仏教の国々では、仏陀の誕生の日、悟りを開いた日、入滅の日が全てインド歴第二月の第一満月の夜(陰暦の5月)だったと言われています。
【 VESAK DAY(ウェーサーカ祭・ベサク祭)】
上座部仏教の国々では、サンスクリット語のVaiśākha(インド暦第二の月・ヴァイシャーカ)に由来して、満月の日をVESAK DAYとしてお祝いします。
実際のお祭りの日は、その地域や宗派の採用する暦によって異なります。
仏滅紀元を採用する地域では、満月の出る Uposatha の日(たいてい仏滅紀元の5月か6月)、中国では、中国暦4月の最初の満月の日。グレゴリオ暦では年ごとに異なり、大体4月か5月に当てはまります。
【お祭りのしかた】
日本の花まつり(灌仏会)では、花を飾った幼い仏陀像に甘茶をかけてお祝いします。
甘茶というのは、学名:Hydrangea macrophylla var. thunbergii。
アジサイ科の落葉低木のアジサイ(学名:Hydrangea macrophylla)の変種で、ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla f. normalis)に良く似ています。若い葉を蒸して揉み、乾燥させ、煎じて作る、甘みのある黄褐色のお茶です。
甘茶をかけるのは、釈迦の生誕時に八大竜王(仏法を守護する竜族の八王)がこれを祝って産湯に甘露を注いだという故事、あるいは、釈迦の誕生日に龍が空からあらわれてソーマ(インド神話に登場する神々の飲料)を注いだという故事によります。この辺りも地域や文化によって微妙に違うのも興味深いです。
VESAK DAYには善行をして徳を積むという習慣もあり、お布施をしたり、家の掃除をしたり、菜食をしたり、恵まれない人に贈り物をしたり、自由の象徴として籠の鳥や動物を放すところもあるようです。
VESAK DAYでは、仏陀像に甘茶でなく水をかける場合もあります。
タイの正月行事「ソンクラーン祭」は水かけ祭りともいわれますが、もともと仏像や年長者に水をかけるのは、「敬意を払う」という意味があるそうです。暑い期に水をかけ暑さを和らげるのですから、これも善行ですね。
そして法要に参列し、花、ろうそく、線香などを捧げます。
花は枯れ、ろうそくや線香は燃え尽きます。人生も、万物がはかなくうつろい、いずれ朽ちて死ぬことに気づくためとも言われています。
生き生きと美しいいのちの象徴として花を捧げるだけでなく、萎れ枯れた時に、不要なゴミとしてポイと捨ててしまわず、感謝を込めてお別れできたら素敵ですね。
【2021年5月26日卯月の満月の皆既月食】
2021年最も地球に近い=最も大きく見える満月=スーパームーンです。
最も遠い時に比べると、見た目上約14%大きく、約30%明るく見えます。
さらにこのスーパームーンは、月が欠けて赤黒い色になり再び戻る「皆既月食」をします。太陽・地球・月が一直線に並ぶ時、太陽と月の間にある地球の影が月に重なり、月が欠けるように見えるためです。
幸運なことに!日本ではタイミングよく20時9分から28分まで皆既月食をみることができます。
同じようなスーパームーンの皆既月食が、次に日本で見られるのは、12年後2033年10月8日です。
この2021年5月26日のスーパームーンの皆既月食についての詳細は、太陽系時空間地図 地球暦の時事情報でどうぞ...。
【VESAK DAYの皆既月食】
明るい満月の状態から、欠けて赤黒くなり、再び輝きを取り戻して満月に戻る様子は、死と再生、一旦リセットして新たな命として輝く様をイメージさせます。
お釈迦様に重ねるのならば、王子様として何不自由なく幸せに暮らしていたゴータマ・シッダルダ王子が、この世の苦を知り、出家し、命に係わるほどの苦行を重ねた末に、健康あってこその修行だと気づき、乳粥を食して健康を回復し、菩提樹の下に座って、悟りを得られたストーリーにも通じます。
スーパームーンの皆既月食となる今年のVESAK DAY(ウェーサーカ祭)としても特別な感じがします。
【スーパームーンをマインドフルに味わう】
この大きな満月によって、満月のあとにも潮は大きく引きます。
月も水も「感情」を象徴するともいわれます。大きく揺さぶられるようなことがあるかもしれません。
大きな満月の圧倒的な輝きは、ネガティブさに向かい合うためのエネルギーも放ってくれます。
その輝きに守られながら、安心して、丁寧に、優しく、
過去のトラウマやネガティブな感情もただ優しく抱きしめてみましょう。
日々の暮らしの中で、ひたすら上昇し続けることはできません。
疲れることもあれば、へこむことも、嫌になることも起きます。
そんな時こそ、一旦立ち止まって回復させるのが大事だなと思います。
頭ではわかっていても、つい他の人と比べたりして、
「イヤ、休んでいられない。もっと頑張らなくちゃ」。」
「がんばれない私はダメだ」なんていう風に、自分をいじめてしまいがち。
だからこそ、「止まる」と仲良くしてみます。
体の動きを止めるだけじゃなく、心配性で働き者の、思考をとめること。
自分の呼吸によって動く体のリズムをただ味わってみてください。
鼻から出る息と入る息の温度差を繊細に感じてみるのもおすすめです。
【今この時を味わう】
2020年12月22日の木星と土星のグレート・コンジャンクション(惑星会合)は約240年ぶりにみずがめ座で起こり、「風のサイン」へと移行したことから「風の時代」と呼ばれるようになりました。
コロナパンデミックの影響もあり、変化の予感とともに、先の読めない不安を感じる事も多いかもしれません。
そんな時に自分を取り戻すには、今ここの現在地を確認してみましょう。
マインドフルネスで、今ここで生きている自分を確認することもできます。
また、自然にふれると、循環の中で変化することの安心感をとりもどすことができます。さらに大きな視点から安心感を得るには、地球暦で太陽系の星の動きを意識してみるのも効果的です。(←経験済み)
地球暦は、春分からの1年365日を太陽系の地球や惑星の位置をあらわしています。
その音楽版CDが「The Time, Now」です。天文情報をタイムラインにして、二十四節気、朔弦望、惑星会合など、太陽や月や惑星の動きをさまざまな音で表現しています。
この『EMERGENCE FROM AWAI』と題された2021年版では、
2021年5月26日のスーパームーンは09分30秒のあたりです。
2021年の太陽系を俯瞰する『地球暦』や、耳から感じる「The Time, Now」については、こちらのページ↓でどうぞ...。
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