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月とひと月

月は直径3474km、地球の1/4の大きさで、大きな衛星です。
太陽系の惑星やほとんどの衛星と同じく、天の北極から見て反時計周り=地球の自転、公転と同じ方向に29.5日で楕円形の軌道を公転しています。
自転周期は27.32日で、地球の周りを回る公転周期と同期しているため、地球上から月の裏側を直接観測することはできません。

月の重力は、地球に影響を及ぼし、潮の満ち引き(潮汐作用)を起こします。太陽も地球に潮汐力を及ぼしますが、遠距離にあるため、その影響力は月の力の半分程度です。(潮汐力は距離の3乗に反比例)

地球の自転速度は、約10万年に1秒の割合で遅くなっています。
月の潮汐作用によって海水が移動すると、海底に大きな摩擦が起き、地球の自転にブレーキをかけて速度を遅くします。その結果として、月の公転半径が大きくなり、月が地球から遠ざかる現象を生じ、月と地球の距離は年間約3.8cmずつ離れつつあります。

月の暦
月は、地球から見える天体の中では太陽の次に明るく、満ち欠けを見せます。新月から、三日月、半月と膨らみ、満月になるまで約2週間。その後、欠けていき、約2週間で、また新月に戻ります。この周期を基にしたのが太陰暦です。日本でも、明治5年までは太陽太陰暦を主として使用していました。

月の位置とカタチ
月は太陽の光を反射して光っています。月が地球の周りを移動するにつれて、照らされる部分が変化します。地球から見るとき、月が太陽に対してどの方向にあるかによって月の形がきまります。

月が太陽と同じ方向にある時は、太陽の光が当たっている部分は地球から見えません。これが新月=朔です。

1日に約12度ずつ、月は東に向かって太陽から離れていきます。
新月から満月までは、月の西側が太陽に照らされて光っています。太陽からの角度が離れるにしたがって、月の光っている部分の面積は徐々に大きくなり、月全体の明るさも明るくなっていきます。

月が太陽の東90度の位置では、地球からは月の西半分が照らされた、上弦の月です。
太陽と180度、地球から見て太陽と逆側に月が来ると、月全体が照らされて、満月=望です。
太陽の西90度の位置では、月の東半分が照らされた、下弦の月になり、さらに太陽と同じ方向の新月へと向かいます。

この満ち欠けの周期を朔望月(さくぼうげつ)とよび、平均29日12時間44分です。じつは、月が地球のまわりを1周する公転周期は27日7時間43分なのですが、その間に地球が太陽のまわりを少し回っており、同じ位置関係にもどるのに約2日ほどよけいにかかるのです。

朔弦望

月齢
地球から見て、太陽と月が同じ方向に重なるのを、朔=新月といいます。
日本や中国で用いられた太陰暦・太陰太陽暦では、朔を含む日を月初(第1日)とします。

朔からの経過時間を日単位で表した数値を月齢といいます。
朔の瞬間を月齢0として、朔を含む日(朔日)を「1日」とするため、日本で用いられる旧暦の日付は、その日の午前0時の月齢に1を足したものとなります。

通常、カレンダー等で示される月齢は、当日正午時点の数値です。例えば、2020年3月24日は日本標準時18時28分に朔となるため、この時点が月齢0となり、同日は旧暦3月1日となります。
カレンダー等で示される月齢は、正午時点での数値となるため、2020年3月24日は月齢29.5、翌25日の月齢は0.7となります。

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