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隠し階段の都市伝説を検証してみた @28

「アランガチの滝には隠し階段があり、その階段を登りつめると滝の真上にいくことができる」という都市伝説(島伝説)があるらしい。さっそく検証すべくアランガチの滝にむかった。

「隠し階段」というわりには、階段の入口はあっけなく見つかった。たぶんここがそうなのだろう。それにしても・・薄暗くてなんと不気味な階段だろう。登るのを一瞬躊躇する。でも探検家の血が騒ぐのだ。幅1メートくらいの小さな階段をおそるおそる登っていく。すると周りの空気が一変した。

ここは絵本の世界か・・

階段はコケとツタと雑草につつまれた鮮やかな緑一色だ。一歩づつ登るたびにその緑はさらに濃くなってゆく。まさにメルヘンの絵本の中に迷いこんだようだ。ここは異次元の宇宙だ。

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しかし、この緑の階段を最上段まで登りつめても滝はどこにも見あたらない。やはりあれはただの都市伝説(島伝説)だったのか。でも探検家の血が騒ぐ。さらにその先を進むことにした。

こっから先は階段のない険しい山道だ。これぞ冒険の世界。しばらく歩くと大木がたおれて道を塞いでいた。これ、どうやって進めというんだ・・・。窪みに手を入れしっかり固定し、ゆっくり足場をかためて回りこむ。手がはずれても足を踏みはずしても崖の下に一直線だ。

どうにか倒木を乗りこえると、次に待っていたのは第二の階段だった。ここからはハードボイルドの世界だ。傾斜60~70度くらいあるんじゃないだろうかという険しい階段が、目のまえに立ち塞がっている。踏板は幅10センチくらいしかない。でも探検家の血が騒ぐのだ(しつこい)。ゆっくりと慎重に登っていく。

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登りつめたその奥にはまた草に被われた第三の階段が現れた。階段の横には巨大なパイプが走り、さらには鉄ゲートがある。もうわけがわからん。北方謙三になった俺は眉間に皺を寄せ、葉巻をふかしながら天を仰ぐ。しかしハードボイルになりきれない僕は、ヘッピリ腰で汗びっしょりになりながら、どうにかこうにか階段を登りつめた。

そこは谷間だった。

その谷に鉄橋が掛かっていた。

橋の下に滝が落ちている。

とうとう来た。
ここが伝説の滝の真上なのだ。

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網目の鉄橋の下には、落差30メートルの滝が直に見おろせる。反対側には下からは見えなかった新たな滝と小さいコモリがあった。下界からは想像もつかない世界がそこに広がっていた。

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そして、鉄橋のその先にはほぼ垂直に延びた10メートルの鉄ハシゴが・・・。いや、さすがに探検家の血は騒がんかった。これは登れんでしょう。まだ死にたくはない。

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ということで、

【検証結果】
隠し階段は確かに存在したが隠れてはいなかった。そして階段を登りつめるとそこはほんとに滝の真上だった。信じるか信じないかは・・・

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