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276DAY -2023奥多摩見聞録 其の6‐

 午後の勉強時間は、みんな川に行ってきたこともあって、静かに学習している。まるで無心になっているようだ。それほど自分のことに集中できているのだろう。

 ヒグラシの鳴き声が奥多摩のかしこにこだましている。先生と生徒との学びの声が聞こえては静まり、扇風機の風を割く音だけが常に聞こえる。縁側からは風が入っては止まり、汗でべたつく我々をじらしているかのようである。
 そして気づいたときに深呼吸をすると、本当に奥多摩だなと思う。空気に雑が無く、軟水のようにするっと肺に滑り込んでくる。

 これが本当の学び舎、という雰囲気に満ち溢れている。

勉強しているものもいれば、数時間勉強して休憩している者もいる。この良い塩梅が、学習環境向上のスパイスになる。

 夏合宿では将棋が休み時間の人気となっていた。まるで刑務所だなと思ってしまったが、これくらいしかボードゲームがないので仕方ないところだ。とはいえ、皆とても熱

心に遊んでいる。将棋の手について議論し、ゲーム展開で非常に盛り上がっている。中には将棋を習っているという人もいて、予想以上に高度な会話が繰り広げられている。

 小中学生が勉強の合間に盛り上がるのが、「将棋」。なかなか面白い字面ではなかろうか。

全員が将棋で盛り上がる

 夜食を済ませると、いよいよ焚き火が美しい時間となった。いつ見ても焚き火は素晴らしい。

夜に穴が空いたよう

 ひとまずここで奥多摩見聞録は中断する。夏休み中にもう六日ほど行くので、その滞在録もお楽しみに。

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