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収入増には秘訣あり!副業医師ライターが成功するポイント

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こんにちは、Dr.心拍と申します。普段は勤務医として働いていますが、時間外や休日の隙間時間を生かして「ライター」としても活動しています。

 この連載では、医師として勤務しながらどのようにライターとして活動するに至ったか、どんな苦労ややりがいがあるのかなどを、読者の皆様に共有させていただきます。医師の副業として「ライターもありかも?」と思ってもらえたら幸いです。

 前回は普段勤務医として働く私が「ライター」として活動し始めたきっかけや、医師の副業としてライターがおすすめである理由についてお話ししました。

 今回は実際にライターとして活動し始めて、医師の副業としてどのように収入を増やしていったのか、その過程についてお伝えします。医師として持つ専門的知見を、うまく収入面にも活かすポイントをご紹介できればと思います。

医師ライター、はじめの一歩

 前回ご紹介したように、ライターとしてクラウドソーシングに登録した私は、最初の仕事を獲得するために、いくつかの案件に応募しました。もちろん医療系にむすびつくようなものを中心に、また案件のテーマを自分の知見や経験をもとにして自身のなかでうまく落とし込めるようなものに、積極的に応募していきました。

 クラウドソーシングでは、1つの案件に対して数十人から応募が集まるということも珍しくありません。また最近では医師のライターも増えてきており、応募者一覧を見ると、いつもよく見る医師ライターの名前が並んでいる、なんてこともあります。

 初心者であったため、最初はすぐに案件を獲得できず、前回お伝えしたように、プロフィールや応募文を工夫するなど試行錯誤を繰り返しました。

 たしか10件以上応募してやっと1つの案件に返事があり、いよいよ執筆をすることになりました。テーマは「睡眠」に関する記事で、文字数はおそらく2000字程度だったと記憶しています。

 しかし、当然ライターとして素人ですから、とりあえず執筆してみたものの2000字になかなか達しません。何を付け足そうなんてことを考えながら、参加しているライターサロンのメンバーにオープンチャットで相談し、経験値があるライターの方からアドバイスをもらったりしながら、記事を書きあげました。こうして、最初の案件を無事、納期内に納品することができました。

積極的な行動で執筆依頼が増加!
ライターの仕事にやりがいを見出す

 幸い、クライアントの方から共感できるような記事だと(お世辞かもしれませんが)評価していただき、その後もたくさんの応募をしていきました。

 同時に、募集中の案件に応募するだけではなく、クラウドソーシング上に登録している医療メディア関連のクライアントの方に、自分から直接メッセージを送ってみました。

 さらに、クラウドソーシングに関係なく、医療メディアなどを運営している企業のサイトなどを見てまわり、お問い合わせ窓口を通じて連絡したり、執筆者を募集しているメディアに直接応募したりもしました。

 このような積極的な行動により、執筆の依頼が増えていきました。

 さらには、以前依頼されたクライアントから継続的な依頼を受けたり、クライアントの方に企画を提案することで、初めての連載が始まったりもしました[1]。

 その頃はとにかく、自分の知見を伝えたいという思いに加え、自分が表現できる場が見つかった、そしてそれを評価してくれたということが嬉しく、ますます執筆にのめりこんでいったように思います。

 そして、そのライターとしての成長過程をライターサロンのメンバーと共有し、困ったときはアドバイスをもらいながら、楽しく執筆を続けることができました。医師として医療を行う日常とは違った過ごし方に、やりがいを見出していきました。

収入を増やすカギは単価アップ?
クライアントの心に訴える交渉術

 案件を増やすこと以外に収入を増やすもうひとつのポイントは、1件あたりの単価を上げることです。

 連載をいただくようになってからは、こちらから案件に応募するのではなく先方からのスカウトで執筆を依頼されるなど、指数関数的に案件が増えるようになりました。
 しかしながら勤務医として働きつつ執筆しているわけですから、リソースは限られています。そのような状況になってきたため、仕事の依頼について相談された際に、内容としてはぜひ執筆したいけれど、どうしても時間が限定されており、ある程度優先順位をつけて執筆する必要がありました。

 それをお伝えしたところ、「どうしても依頼したいので、執筆単価を上げることで継続していただけませんか?」という提案をいただくことがありました。

 そのことがきっかけで、なにも依頼された仕事をそのままの単価で受ける必要はなく、交渉によって単価を上げてもらってもよいのだと気づきました。

 もちろん単に、報酬を上げてくださいというのではなかなか了承してもらいにくいため、医師としての通常の勤務に対する報酬や他のライターとの差別化、これまでにない知見をもって執筆するなど、積極的に単価を上げたくなるような情報や提案を添えて交渉しました。この方法が大ヒットしました。

 このような経緯で、案件を増やすだけではなく、1件あたりの単価を上げることに成功しました。

監修、プロデューサー業まで
執筆以外の案件で広がる可能性

 他にも収入を増やすきっかけとなったのが、執筆以外のクライアントからの相談案件です。

 多くのクライアントとやりとりしていると、すぐに執筆には結びつかないけれど、事業を知ってほしい、アドバイスが欲しいなどの理由でミーティングをする機会があります。最初は何を話してよいものかと思いましたが、いろいろな企業の方と事業の話をしていると、医師としていろいろな発想が出てきます。

 クライアント企業は医療従事者ではないことも多く、どのようなことがこちらでできるのか気づいてもらうことでクライアントのニーズを引き出し、それをもとに案件化するということを行うようになりました。

 このような方法でクライアントにさまざまな提案をすることで、例えば一度に数十記事のような大きな執筆依頼を受けたり、あるいは上場企業に対して医師としての知見を活かして医学的な情報を監修するような仕事もさせていただいたり、いろいろな仕事をいただくことにつながりました。

 また、全ての案件を直接自分で執筆するのではなく、大型案件を受注して、ライターサロンのメンバーと共同で執筆して取りまとめたり、プロジェクト全体を取りまとめたりする役割もするようになり、大きなやりがいとともに収入も飛躍しました。

まとめと次回予告

 このように、副業としてライター収入を増やすためには、単に案件をたくさん引き受けるだけではなく、さまざまなポイントがあります。

 特に、一人では成しえなかったことをメンバーで成し遂げるのは、大きなやりがいがありました。
 副業収入が伸びるだけではなく、一人で執筆していると出てくる孤独感も解消できます。誰かと一緒にやるというのは、とても心強いですね。

 さて今回は、医師ライターを始めた私がどのように副業収入を伸ばしていったのかについて共有しました。
 次回は、ライターとしての苦労、失敗談などを共有させていただきますね。

【参考文献】
[1] Life Science Matching Initiative Platform

【著者プロフィール】
Dr.心拍 解析・文 (Twitter: @dr_shinpaku)
https://twitter.com/dr_shinpaku
呼吸器内科の勤務医として喘息やCOPD、肺がんから感染症まで地域の基幹病院で幅広く診療している。最近は、医師の働き方改革という名ばかりの施策に不安を抱え、多様化する医師のキャリア形成に関する発信と活動を行っている。また、運営側として関わる一般社団法人 正しい知識を広める会 (tadashiiiryou.or.jp)の医師200名と連携しながら、臨床現場の知見や課題感を生かしてヘルスケアビジネスに取り組んでいる。
各種医療メディアで本業知見を生かした企画立案および連載記事の執筆を行うだけでなく、医療アプリ監修やAI画像診断アドバイザーも行う。また、ヘルステック関連スタートアップ企業に対する事業提案などのコンサル業務を複数行い、事業を一緒に考えて歩むことを活動目的としている。

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