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ニキビ治療の心得

美容皮膚科の松元です。
誰もが経験するニキビ、青春の象徴なんて言われているけれど普通に嫌ですよね。
当院でもニキビ、ニキビ痕のご相談が多いので解説していきます
その前に、ニキビ治療の心得を言わせてください。

一つ!ニキビは慢性疾患、治療は最低3ヶ月継続する!
一つ!赤ニキビは凹みを作らず治したら大成功!

ニキビはなぜできるのか

ニキビの正体は「毛穴の詰まり」です。
ニキビができる過程は
①様々な理由で皮脂分泌が増加
②毛穴が詰まる
③毛穴に貯まった皮脂をエサにアクネ菌が繁殖→感染→炎症
④瘢痕が残る

ざっくりこんな感じ。
さて、この説明を受けてどこからアプローチしたいと思いますか?

①皮脂分泌を抑える

毛穴が詰まらなければニキビにはなりません。
なのでまずは毛穴を詰まらせないために過剰な皮脂を抑えることが必要。
これはニキビができる人全ての人が押さえるべきポイントです。
ただ10-30代の間はどうしても皮脂は出てしまうのは避けられないのが正直なところ。
できるだけ皮脂を抑えるためには毎日のスキンケアが大切でせ。
しっかり保湿をする、バリア機能を整える。
保湿はベタベタするからやらない方がいい!と思う方もいるかもしれません。
しかしインナードライの状態でバリア機能が低下していると、それを代償して皮脂が出るタイプの人がいます。
だからといって保湿の仕方を間違えると逆にニキビが増えるので結構難しい…またこの辺りは解説できたらと思います。
皮脂分泌抑制の成分としてはビタミンC、レチノイド、ナイアシンアミドが有効です。(あいち栄クリニック横山院長プロデュースのVITA化粧水は全部入りですよ✌️)

②詰まった毛穴を掃除する

次、既に毛穴が詰まってる人!
目に見えて黒い角栓が詰まっていたり(黒ニキビ)、角栓は見えないけど膨らんでザラザラしている白ニキビの状態です。
ケミカルピーリング、ハイドラフェイシャルなどでターンオーバーが促進され、詰まった毛穴を掃除します。
自費診療ではミルクピール、サリチル酸ピーリングなど。
保険診療だとアダパレン、過酸化ベンゾイルにピーリング作用があります。
ホームケアだとグリコール酸、サリチル酸など。酸なのでちょっと刺激感があります。(これもVITAにはいってる)

③殺菌する

次、感染して既に炎症があるニキビがある人!
これは抗菌薬を使用してください。塗り薬、時には飲み薬も使います。
ここでひとつ注意点☝️ニキビ治療において耐性菌という抗菌薬が効きにくいアクネ菌が増えています。
皮膚科の先生が「1週間後また見せてくださいね」というのは処方した薬がちゃんと有効だったか判断するためです。
有効でなければ次の手がありますので、皮膚科行っても治らなかった…ではなく、ぜひ通院を継続してください。
ちなみにここに美容医療が出る幕はありません😲

④瘢痕に対する治療

最後、瘢痕が残った人!
ニキビ跡といっても色々とありますが、基本的には色素沈着or凹みです。

色素沈着は基本的に半年〜1年程度で改善していきますが、早く治したいとなると外用薬が中心になります。ハイドロキノン、もしくはターンオーバーを促進する意味でレチノイドが有効です。
メソナJで経皮的に美白剤を届けるのもアリだとおもいます👌
ただ人によってはハイドロキノンやレチノイドでさらに炎症が起こりうるため、そういった場合には触らないが一番。炎症性色素沈着の治療は基本待つ!になります。

凹みの治療はものすごく時間がかかります。
そもそも凹みが残るのはニキビの炎症が真皮層まで及ぶことでキズが深くなり、表面が凹んだまま皮膚が張り、周囲の皮膚を引き込んでしまう状態です。
真皮層まで炎症が及ぶのは下手にニキビを潰したりこねくり回したりして傷をつけるパターンと、そもそも肌に無頓着でそのまま放置してたらめちゃくちゃひどくなったパターンかと思います。
治療としては真皮層の線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンの増殖を促す…というものになりますが、要するに上手いこと皮膚にキズをつけてハリ感を持たせて皮膚が盛り上がってくるのを待つ、という治療です。
マッサージピール、ダーマペン、ニードルRF、CO2フラクショナルレーザーなど。
傷つければ傷つけるほど効果は高いですが、ダウンタイムもそれなりにあります。
そして1回の治療で劇的に良くなるものでもないので5回やってようやく効果を感じるもの、と思っていただいた方が良いかと。
どれだけやったら完全に凹みがなくなるか…なんて言えません。
とにかく凹みの治療には時間がかかるため、凹みにせずニキビを治すことが大切です。
というわけで凹ませず赤ニキビを治せたら大成功と思ってください✌️

ニキビは慢性疾患

ニキビは悪化と改善を繰り返して徐々に改善していく慢性疾患です。
思い返してください、私も含めてほとんどの人が中学時代から10年近くのニキビとのお付き合いです。
皮脂が出る以上ニキビはできても仕方ないんですがその後の行動が大切です。
しっかりニキビを治したい人は少なくとも3ヶ月皮膚科に通いましょう、ここが最低ラインです。
そして早く綺麗になりたい方は保険診療にも自費診療にも頼ることをおすすめします。
というのも保険診療には保険診療の限界があり、自費診療には自費診療の限界があるからです。
ただ一般的にニキビできちゃった!となるのは赤い炎症性のニキビなので、まずは皮膚科へ行って薬をもらってください。
その後ニキビになりにくくするために、美容皮膚科に来ていただけたらと思います☺️

ゴールが見えないと不安は大きい

ニキビの完治までは非常に長い道のりです。
一つ治ってもまた違うところに新しいニキビができる、イタチごっこのような病気です。
通院をやめてしまう気持ちも非常に良くわかります。
ただゴールがしっかりと見えると治療に対するモチベーションが上がるかと思います。
長期的な目標はニキビのできない肌にすること。
短期的な目標は赤ニキビを凹ませず治療すること。
いまの自分のニキビがどの段階なのか、目標がどこにあるのか、それを理解しているだけで正しい対策が取れます。
ニキビやニキビ跡にお悩みの方はぜひ相談にいらしていただけたらと思います。

おしまい。

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