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子どもの力を感じた入院3-5日目(手術翌日~退院日)と術後2週間の経過-第3章 ヒビトの入院-【ムッタとヒビト#14】

こんにちは。くんぱす先生です。
医師として働きながら、2児の子育て真っ只中です。
長男:ムッタ(仮)小3
 小柄だが、考え方や発言は大人びている。優しい。一番楽しい時間はヒビトと遊ぶ時間だそう。反抗期まだ。
次男:ヒビト(仮)年中
 人見知りだけど慣れるとお調子者。ムッタのことが大好き。特技ドヤ顔。


【アデノイド増殖症・扁桃肥大】に対する手術のため、入院した年中の次男ヒビト。
いよいよ今回で最後です。
手術から2週間経過したときの様子もあわせてお伝えします。
今後、同じように小さな身体で手術を受けるお子さんとその親御さんに参考になるように様子をお伝えできればいいなと思います。
そして、今回の入院で一番の発見は【子どもを元気にしてあげられるのは子どもだ】ということでした。

前回までの記事はこちら。


術後のトイレ拒否、夕食拒否、終われない点滴、夜間の発熱で迎えた初夜。
どうなる⁉ヒビト。


手術翌日(入院3日目)

7:00過ぎ 起床

夜間発熱や痛みで眠りが浅く、何度か目を覚ましました。
創部からの浸出液の影響か、痰が絡んで寝苦しそうでした。
4時台に鎮痛薬の点滴をしてもらい、再入眠して翌朝の7時過ぎに起床しました。

7:30 朝食

+牛乳

1割食べました。
なかなか食が進みません。。

8:30 トイレまで歩行

術後初のトイレ歩行です。
それまではオムツに排尿していました。
術前は毎日トイレで排便していましたが、術後まだ排便はありません。
そしてまだ37.7℃の熱があり、倦怠感もありました。

10:00 最後の抗生剤点滴

その後すぐに入眠しました。
手術でアデノイドや扁桃は取ったけれど、この時はまだ睡眠時のいびきがありました。むしろ、苦しそう。。
発熱もあったので、寝ている間に解熱鎮痛薬の点滴もしてもらいました。

12:00すぎ 起床→昼食

食べる前の写真を取り忘れました。
なんと、主食のうどん以外は完食!
回復の兆しか⁉とかなり嬉しかったです。
そして点滴も抜針してもらうことができました。
主食はうどんかお粥を選ぶスタイルで、ヒビト本人がうどんを選択しましたがほぼ食べませんでした。

その後、トイレで排尿も済ませ、プレイルームで遊ぶ活気も戻ってきました。ただ、このときに撮った写真に写るヒビトの笑顔は憔悴しきったものでした。

15:00 おやつ

入院してはじめてのおやつです!
なんと、家でもよく食べる「とろけるゼリー」ができてきました。
安定の完食。

16:00 お兄ちゃん(ムッタ)の面会

大好きなムッタに久々に会うことができました。
3日ぶりかな。

ムッタは前日から病院に行くことを楽しみ(?)にしていました。
学校のクラスメイトや担任の先生にも「弟が入院して手術した」と話していたようで、みんなも心配してくれていたようです。
いつもの下校のルートとは違う、病院の最寄り駅まで来てもらいお迎えに行きました。
ムッタにとってもドキドキの経験ですね。

病院につくと、「わあ!ここ来たことあるね!前。」「どこからヒビトのところに行くの?」といつもよりおしゃべりでピタっと私にくっついて、なんだか緊張している様子でした。

ムッタの登場に喜び爆発かな~と思っていたら、力なく手を振るヒビト。
やっぱりだるさと喉の違和感・痛みでそれどころじゃないのかな。
ムッタが来ても、話はほとんどせずにYoutubeを2人で見て過ごしました。

16:30 術後はじめてのシャワー

入院日に入った以来のシャワーです。
シャワー後、倦怠感が強くなり鎮痛薬(粉薬)を内服しました。
やはり、まだまだつらそうです。

18:30 夕食

2割ほど食べました。
その後、術後初の歯磨きを済ませました。
この日はパパと交代してママが泊まる予定でしたが、ヒビトが泣きながら「パパがいい~!」と訴えるので、根負けしてパパが連泊することになりました、、
硬い簡易ベッドで身体もボロボロ、さらに睡眠不足という最悪のコンディションのパパ、大丈夫か⁉

20:30 就寝

時折、痰が絡んで咳込みながら寝ました。
眠りが浅く、深夜も何回か起きてトイレに行きました。

手術後2日目(入院4日目)

7:30 朝食

写真撮り忘れました。。
9:00の面会開始に合わせてママが登場し、パパと付き添いの交代をしました。
またヒビトが嫌がらないように、機嫌のいいときに何回かパパから交代のお話をしてもらっておきました。
けれど、いざ交代となると表情が曇るヒビト。
この苦難を乗り越えた同志としての絆でしょうか?

気分を変えるためにプレイルームへ3人で行きました。
ここでいい出会いがありました!
この出会いがヒビトの残りの入院生活を彩ってくれました。

遊び始めた頃を見計らって、自然な形でパパとバイバイし、そのままブロックで私を遊んでいると、近くにいた小学生2人組の男の子たちが自然に加わって、みんなでお城や家を作って遊びました。
その後も、くるくるコースターのコースを4人で協力して作ったりして過ごしました。
10:00に牛乳1パックが出たのですが、お部屋で一気飲みをしてまたプレイルームへ戻り、2人のお兄ちゃんたちと遊び続けました。

彼らに話をきいてみるとなんと、同じ日に入院して同じ日に同じ手術をしていました!
主治医の先生が違うだけで同じ境遇であることが分かり、さらに意気投合。
2人とも小学2年生でした。

10:30 保育士さん登場

なんと、保育士さんが毎日来てくれるシステムらしく、2人は常連とのこと(笑)
「保育士さんが来ると、アイロンビーズできるから一緒にやろうよ!」
とヒビトを誘ってくれました。
すっかりお兄ちゃん2人に懐いたヒビトはほとんど部屋に帰らなくなりました。

入院中に作ったアイロンビーズの作品たち

お兄ちゃんたちとの出会いで、この日は食事と入浴のとき以外はずっとプレイルームでお兄ちゃんたちと過ごしました。
アイロンビーズや塗り絵をしたり、一緒に動画を見たりと、やっと自然に笑うヒビトを見ることができました。

子どもを治すのは子ども

今回の入院で感じたことです。
どれだけ親が付き添っても感じられなかったヒビトの活気が、お兄ちゃんたちに出会って自然に一緒に過ごすようになってから急激に戻りました。
その様子を間近で見ていた私はこう思いました。

子どもを元気にしてあげられるのは子どもなんだな

一緒に遊んでいると喉の痛みも忘れられるようで、ぐずらなくなりました。
人間は群れ(社会)で生きる動物なんだと改めて感じました。

子ども同士で遊んでいるときって、本当にいい表情をしますよね、子どもって。
痛み止めの薬なんかより、ママやパパのヨシヨシより、何倍もの力がそこにはあるんだなと発見しました。

子どもがいろんな理由で元気がなくなったとき、コミュニティーはなんでもいいので子ども同士で交われる環境を提供してあげることが大切なのかもしれません。

先生の診察

術後の経過も良好とのことで、予定通り退院でよいとの許可がおりました。
退院後は本人が食べたいと思うものを食べてもらって構わないです、とのこと。
喉を傷つけるようなものでなければいいとのことでした。
退院後外来は退院2週間後に予約されました。

退院後の制限

・幼稚園登園は術後1週間経過してから。
・かけっこ他運動は術後2週間くらい我慢(スイミングスクールなど習い事も)
・出血が止まらないようなことがあれば受診する。
・術前まで内服していた薬、点鼻薬はとりあえず中止。
・退院後は痛いときに鎮痛薬を飲む。痛くなければ内服なし。

入院最後の夜

夕食も2-3割であまり食べませんでした。
なんとなく鼻の奥や喉に痰のようなものが絡んでいるような、鼻をすするような仕草がありましたが、風邪ではなく術後の経過であろうと主治医の先生に言われました。
創部からの滲出のようです。

睡眠時は日に日にいびきは軽減している印象でした。

退院日

起きてから早速お兄ちゃんたちの部屋まで遊びにいくヒビト。
本当にお世話になりました。
お兄ちゃんたちも退院です。
「また、どこかで会ったら遊ぼうね~元気でね!」
と別れの挨拶をしてみんな無事に退院となりました。

退院後

数日は本調子じゃない状態が続きました。
そして術後1週間の療養を経て、幼稚園への登園再開の日。
ちょうど、午前保育のみの日でした。
やっぱり、お友達や先生と過ごす時間はヒビトにとってエネルギー源のようで、その日から食事量も活気も回復していきました!

手術を受けるきっかけとなった睡眠時の無呼吸やいびきの症状は退院後数日で浸出液も減ったようで、今では全くありません!!
むしろ、横で寝ているパパやムッタの方がいびきをかいているくらい、ヒビトは近くで耳を傾けない限り呼吸音が聞こえてきません。
そのくらいスース―になりました。

今後徐々に運動を再開し、大好きなスイミングも再開しようと思っています。
今回の入院で得たのは、「スース―の睡眠」と「子どものエネルギー源は子どもであるという発見」でした。

長くなりましたが、これでヒビトのアデノイド肥大・扁桃肥大によるお話を締めさせて頂きます。
お読みいただきありがとうございました。

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