見出し画像

Giant Steps – The Book Of Pride (1988)

 Colin CampsieとGeorge McFarlaneからなるGiant Stepsは1988年に突如登場したわけではなく、Grand HotelやThe Quickなどと名前を変えつつ70年代から一貫してソウルとダンス・ミュージックを追求してきたコンビだった。Giant Stepsとしては唯一作となった『The Book Of Pride』は、シンセ・ポップのきらきらしたサウンドの中に、しっかりとしたファンクの芯が相も変わらず通っている。
 Scritti PolittiのGreen Gartsideが引き合いに出されることは多いが、スマッシュ・ヒットとなった「(The World Don't Need) Another Lover」の歌詞そのものは聴いていて耳が赤くなるようなラブソングである。だが、GartsideやPrinceのボーカルを思わせる中性的なファルセットはもちろん、ダンサブルで軽やかなビートや熱っぽいサックスがすばらしい、まさにハイライトの一曲だ。
 Campsieのソウルフルな歌声は、「Do You Still Care」ではこれ以上ないほどメロウに、「Same Planet Different World」ではファンキーに発揮されている。「Golden Hours (Bone)」のイントロを飾る印象的なパーカッションのリズム、繊細な造りのソウル・ナンバー「Steamy」は、彼らのブラック・ミュージックへの愛情が生き続けていることの表れだ。