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Janis Joplin – Pearl (1971)

 あらゆる女性シンガーの尊敬を集め続けるJanis Jplinの遺作。ブルースロックのマスターピース。彼女の死の直後である1971年初頭に発表された本作は、アルバムとしては未完成でありながら、およそ考えうるすべての賛辞を浴び続ける傑作だ。
 『Pearl』はJoplinの様々な顔がうかがえるアルバムである。彼女のバックを務めるメンバーはFull Tilt Boogie Bandと名付けられ、サウンドもよりファンクやゴスペル調になりボーカルを活かした造りになっているのも特徴と言える。力強いシャウトにバンドが応えるように盛り上がる「Move Over」や、チャーミングな「Mercedes Benz」。特に後者は完全なアカペラであり、ジャケットのゴージャスな姿とはうってかわって等身大そのもののJoplinの姿に心を打たれる。また、「A Woman Left Lonely」が名曲になったのはKen Pearsonのソウル味あふれるオルガンの功績によるものも大きい。女性的な慈愛に満ちた「Cry Baby」は絶唱と呼ぶにふさわしく、彼女の生涯の名唱と言ってもきっと文句は出ないだろう。
 「Buried Alive In The Blues」はブルースの名ライターNick Gravenitesによるナンバーだが、歌声をかぶせる前にJoplinは亡くなってしまった。本作のハイライトになるはずだったこの曲は残念ながらインストで収録されているが、皮肉にもこの不完全さがこのアルバムをより神格化させているのも事実だ。