マガジンのカバー画像

本の紹介・読書の記録

153
運営しているクリエイター

#自己啓発

「人生の合い言葉」に奮い立つ

いわゆる自己啓発系の本は多い.自己啓発本に批判的な人も含めて,誰しも何冊かは読んだことがあるだろう(読んでいないなら批判はできない).その中には,感銘を受けた人もいるだろう.そして,ごく一部の人は何かしらの行動に移しただろう.それで人生が変わった人もいるだろう.しかし,行動が伴わないなら,1000冊読んでも恐らく何の意味もない. 本書「人生の合い言葉」もそういう類いの本である.たくさん読んでも意味がないとは言うものの,時々,このような本を読んで自分を奮い立たせることは,人に

「成功の実現」に書かれた中村天風の体験談が凄い

波瀾万丈な人生から独自の成功哲学を導き出した中村天風氏の講演録.タイトル通り,成功するための方法が示されているのだが,それよりも,天風氏の体験談が凄い.何某と話をしてね・・・の相手が山本五十六だとか,病気を診てもらったのが北里柴三郎だとか… 講述者の中村天風氏は,16歳にして軍事探偵(大日本帝国陸軍諜報員)となり,満州へ赴いた.日露戦争時には,松花江の鉄橋を爆破したり,仕込杖で馬賊と斬り合いを演じるなどして,「人斬り天風」と呼ばれたそうだ. 戦後,急性の肺結核にかかり,北

「若きいのちの日記―愛と死の記録」に心打たれる

大島みち子さんの闘病記録である本書は,昨日紹介した「自分を育てるのは自分―10代の君たちへ」(東井義雄)にも引用されており,自分の生き様を見直させてくれる. 軟骨肉腫という不治の病に冒され,顔半分を失いながらも強く生きよう,愛する人のために一日でも長く生きようとした女性が,入院中に愛する青年と遣り取りした書簡集(愛と死をみつめて―ある純愛の記録)と自分の心を見つめて綴った日記(若きいのちの日記―愛と死の記録).この2つを読むことで,彼女の深い苦悩が,そして天性の明朗さがわか

「自分を育てるのは自分―10代の君たちへ」

本書を最初に読んだのは10年以上前だが,当時,子供が中学生になったらプレゼントしようと思った.それほど素晴らしい内容で,これから自分の人生を歩んでいこうとする10代の若者に読んでもらいたい. 本書「自分を育てるのは自分―10代の君たちへ」は,教師であった東井義雄氏の,昭和55,56年に開催された2回の講演をまとめたものだ. 世界でただ一人の私をどんな私に仕上げていくか.その責任者が私であり,皆さん一人ひとりなんです. どうか自分の人生を大切にして下さいというメッセージを

孔子と弟子たちを身近に感じられる「論語物語」

下村湖人の「論語物語」は,論語の素晴らしい入門書だ.論語を読んだことがない人,読んだけれども挫折した人に特に勧めたい. 論語は,孔子の死後,孔子とその高弟の言行を弟子達が記録した書物であり,あまりにも有名だ.以下の記事「20歳代が学問する絶好機」でもいくつか引用したが,誰でも一度は口にしたことがある言葉も多い. 世に論語の解説書は多いが,それらは,元の漢文の日本語訳に注釈を加えたものであり,基本的に読むのに苦労させられる.論語を理性で理解させようとしている.ところが,下村

経営者の条件 - 学生に読んでおいて欲しい本

原題は”The Effective Executive”であり,ドラッカーの著作であることから,これが「経営者の条件」と邦訳されたのだろう.だが,この邦題は誤解を招く恐れがある.というのも,本書の対象は決して「経営者」ではないからだ.組織において意志決定を行う知識労働者すべてが対象である. P.F.ドラッカー,「経営者の条件」,ダイヤモンド社,2006 今日の組織では,自らの知識あるいは地位のゆえに組織の活動や業績に実質的な貢献をなすべき知識労働者は,すべてエグゼクティブ

話し方入門 - 学生に読んでおいて欲しい本

デール・カーネギーの名著「話し方入門」には,人前で上手に話すための秘訣が書かれている.もちろん,単なるハウツウではない.人に伝えたいと切望するものがあること,周到に準備をすること,練習に練習を重ねて自信を持つこと,始め方と終わり方に注意すること,わかりやすく話すこと,そして,美しい言葉を身に付けることなどが挙げられている.人前で話すことの重要性を認識し,上手に話せるようになりたいと願う人にはきっと役立つはずだ. 先に,お勧めの書籍として,デール・カーネギー(Dale Car

人を動かす - 学生に読んでおいて欲しい本

自己啓発系の書籍で,私が心から素晴らしいと思っているのが,このデール・カーネギー(Dale Carnegie)の「人を動かす」だ.良い人生を送るために,どのように人に接するべきか.人を味方にし,友を増やし,心豊かな人生を送るために,どのように人に接するべきか.この本には,豊富な具体例を添えて,人心掌握の原則が書かれている.学生にも読むように強く勧めている本で,実際,読んだ学生からは圧倒的な支持を得ている.人生を変える一冊になるかもしれない. D・カーネギー,「人を動かす」,