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生涯忘れることのできない刺激的な人体博物館🏛|Body World🤸‍♂️

真っ二つに割れて内部をあらわにした死体…

楽器を奏でる筋肉むきむきの死体…

跳躍する死体…

あまりの生々しさに気分を悪くするヒトもいるという。今回は閲覧注意の画像が並びます


生きている時の表情が保存されているような


どんな旋律を奏でているのだろうか?

本物の人体の標本が立ち並ぶ博物館=Body World@amsterdam

死体を化学処理し、空気に露出した状態で半永久的に保存、閲覧(時に触ることも可)できるようにしたのです。

ポーズが印象的すぎて細部に目がいきません。

挑発的なポーズをとって視線を送る,ブランコに乗る女性

専門家によって処理されているので細部にわたってリアリティがあります。

顔とくびの血管、筋肉が細かく再現(というかそのまま)されている

耳の前にあるのが耳下腺。そこから顔面神経がニョキニョキのびています。

頭部の断面

「触らないで」とはありますが、写真撮影は自由。

こんな人にオススメ

「医学教育の目的」だそうですが、もちろん医学関係者だけが対象ではありません。だれでも閲覧することが可能です。

  • ワークアウトで身体作りを楽しんでいる人

  • 医学に興味のある子供

  • 二次元のイラストでは人体解剖の理解が深まらずに悩んでいるヒト

  • アーティスト

わたしも二次元の解剖学テキストで苦しんだひとりです。

Body Worldで学べること

世の中には医療情報が氾濫しています。もっともらしい理屈で惑わされることも多いでしょう。

でもね、ここには医学の基礎があります。

人体は役割をもつ部分(パーツ)から構成されるからくりの集合体であるという前提が理解できます。

たとえばカラダの細部にまで張り巡らされた血流のネットワークの標本。体が血液を必要としているのです。血管が詰まって血の流れが滞ればどうなるか?栄養不足で部分は壊死します。

神経のネットワークも同じ、細部にまで信号を送り届けているのです。これが切れたら動かなくなるという当たり前の理屈。

心臓、肺、腎臓、消化管、脳神経、生殖器など役割を持ったパーツがならびます。

人体を理解するにはミクロな生理学や分子化学、組織学も必要です。しかしこれはそれ以前の医学の基礎の基礎、理解の第一歩。

レオナルド=ダ=ビンチが懸命に墓を暴いて追究した解剖学だなあと思います。

病気の標本もあり

心筋梗塞やがんの標本だけではありません。

写真のような人工関節を埋め込まれた標本もあります。自分の膝を手術したという人は感慨深いものがあるかもしれません。

膝の人工関節

倫理的な課題が。あなたはどう思う?

故人の意志は…?考えさせられる

生前の意思によって捧げられたご遺体ではあるものの、意図に反したポーズを取らされて見世物にされ、尊厳を踏みにじっているとの意見もあります。この観点から公開を許さない国もあるらしい。

物憂げな表情?

日本では公開は無理でしょうね…

今後の社会の流れによっては、この展覧が世界的に禁止される可能性もあります。良くも悪くもといったところで、見たい人は今のうちに見るべき。

あなたはどう思いますか?

医学への貢献

見た人は解剖の理解が深まるし、社会というスケールでみれば医学に貢献しているのは間違いないでしょう。

プラスチネーションという技術そのものは大変有意義であり、医学部での勉強の機会を与え、解剖実習で献体されるご遺体に依存する頻度を低めることができるでしょう。

プラスチネーションとは

Plastination。樹脂化とでも訳せるでしょうか。

  1. ホルマリンを動脈に注入して、カラダのタンパクを固定。組織の崩壊をストップする。

  2. ご遺体をアセトン処理して水分と脂肪分を除去。

  3. 反応性ポリマーを身体中に染み渡らせる。体が樹脂に置き換わる。

  4. ポジショニング(姿勢)を作る

  5. 硬化

全工程で1500時間。約1年かかる。ボディーワールドのウェブサイトより

ボディーワールド@アムステルダム

ウェブサイト
住所:Damrak 66, Amsterdam

入場料:20ユーロ(街中にあるチケット屋さんで購入すれば18ユーロ)
https://www.tours-tickets.com/en/attractions/body-worlds-amsterdam/
0-5歳は無料、6-18歳は14ユーロ、オンラインチケットだと割引がある。

あとがき

私個人に関しては、死後に自分のカラダがこのような扱われ方をするのは気にしません。社会貢献できたらむしろ嬉しい…。でもこれは個々の価値観によるので、個人の尊厳は最大限に守られるべきですね。

また時間を作ってゆっくり観たいと思います。

薄暗い室内は高感度カメラがオススメ。展示のライティングもよくできているので、ノーフラッシュで。

カメラ:CANON EOS 6D
レンズ:EF24-105 F4L IS USM
7月のオランダは昼でも摂氏20度少し。寒かった〜。

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