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解像度って高ければ良いというものではない

どうも私は解像度を上げることに集中しすぎていたよう。逆でした💦

むしろ解像度を落としてふんわりみることが大事なのです。上の絵画のように野菜に集中すると人の顔を見落とします(アルチンボルドの絵を逆さにした)。

「解像度を上げる」って物事を分析する手段としてポジティブに捉えられますよね。でも副作用もあるんです。

花瓶に活けられたバラを見る。解像度を高くしていくとひとつの花弁(はなびら)の色の濃淡まで見えてきます。

すると一方、傷んだ枝を見落とすのです。あるいはレイアウトの違和感をキャッチできずにスルーするのです。

そういえば子供の頃からお絵描き系が苦手でした。"飛行機"を定規を使ってみみっちく律儀に丁寧に書いちゃうんです。リアルさを再現しようとしてミリで描こうとする。で仕上がってザッと一枚の絵を見るとバランスがおかしいんですよね。俯瞰視点を欠いて描いてたからだなあ。

想像してください。

足元の細かい砂利ひとつひとつを気にしてたら山道を走ることはできません。東京駅の雑踏を歩く時、目の前に次々に湧き出る人物に集中したら人をかき分けて進むことはできなくなります。

むしろ足元見てたら危ない

解像度を落として、退いて眺める視点。ボヤっと見つめる力感。周辺視野でなんとなく感じ取る…。

全体を捉えつつ、違和感(危険)をキャッチするのに必要な視点です。

造形を扱う外科医に必要なのは、高解像度の目と低解像度の目。両者を持つこと。

高倍率なルーペや顕微鏡、定規、針のように細いペン、シャープなメスを用いることで解像度を高めます。一億画素一眼レフカメラ。意識で克服可能です。

でも一方、高解像度の目だけだと見落としをするのです。バランスの偏り、奇異な動き、病変部位…

解像度を低く低く落として右脳的に俯瞰して見る。森を見る。わざと焦点をぼかして違和感を感じ取る。モネやルノワールのような印象派の絵画。「全体としていい感じ、自然な感じ」を得るまでデザインを直す。言語化が難しい世界でございます。

解像度を落とすトレーニングをしようっと。

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