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便秘薬は頭痛を予防する?マグネシウムと片頭痛の話。
マグネシウムは片頭痛の予防になるという話があります。
マグネシウムの摂取と聞くと、魚介類や海藻よりも便秘薬を思い出す人も多いのではないでしょうか?
便秘薬である酸化マグネシウムは腸への刺激も少なく、日本で最も処方されている便秘薬の1つといえます。
先日患者さんから「この便秘薬って頭痛にも効くの?もっと飲んだ方がいい?」と聞かれましたので、見解をまとめたいと思います。
マグネシウムが片頭痛を抑制する?
マグネシウムの摂取が頭痛を抑制するか?
基本的にYesと答えて良いかと思います。
少し歯切れの悪い言い方ですね。
マグネシウムの内服による片頭痛の予防効果を検討したいくつかの研究がありまして、「効果あり」という結論になったものが多数でした。
ただ、一部「効果がない」という研究もありまして、
確固たる効果!!と100%の自信ではなく、少し濁しているのです。
頭痛ガイドライン2021にもマグネシウムは「まぁ効果あるんじゃない?」みたいな書き方で推奨されていますので、
基本的には飲んで良い方向に働くと思ってください。
マグネシウムと片頭痛ってどう関係あるの?
なんでマグネシウムは片頭痛を抑制すると言われているのでしょうか?
それは血中のマグネシウム濃度が低下する「低マグネシウム血症」という病態で、片頭痛の症状が出やすいことが知られているからです。
マグネシウムは神経細胞間の神経伝達物質をセーブすることで過剰な興奮を抑制する働きがあるとされています。
よって低マグネシウム状態では神経が非常に興奮しやすくなり、片頭痛発作が引き起こされやすいのではと推察されています。
ほかにもマグネシウムの不足により酸化ストレスが引き起こされやすいとも言われています。
マグネシウム摂取量の目安。
では片頭痛予防のために、1日あたりどのくらいマグネシウムを摂取したら良いでしょうか?
マグネシウムの頭痛予防効果を示した過去の研究を参考にすると、
1日あたり500~600mgの酸化マグネシウムを摂取している研究が多いです。
月経関連片頭痛にも効果あり?
女性は月経時のホルモンの変化が片頭痛を引き起こしやすいとされます。
そのような女性特有の頭痛に対し、マグネシウムは特に予防効果が高いのではないかと言われています。
便秘薬をたくさん飲む方が良い?
結論から言うと、
便秘薬を飲んでいる方は、頭痛の予防効果もある程度は期待できそうです。
頭痛予防の研究もほぼ酸化マグネシウムで行われていますので合成製剤によるミスマッチもないように思えます。
一般に成人の便秘に対しては1日あたり1g程度の酸化マグネシウムが処方されることが多いので、量的にも十分かと思います。
ただし、いくつかの注意点があります。
注意点1:便秘薬も色んな種類がある。
便秘薬と言っても、色んな種類が色々あります。
頭痛予防に効果が期待できるのはあくまで「酸化マグネシウム」ですので
成分に注意してください。
注意点2:高マグネシウム血症に注意が必要。
酸化マグネシウムは腸に比較的優しいと言いましたが、
長期内服による高マグネシウム血症のおそれがあります。
最悪の場合、致死的な不整脈を招くこともあるので注意が必要です。
長期に内服する場合や高齢者は、医師の診察を定期的に受けることをお勧めします。
結論
以上を踏まえ、僕は片頭痛患者さんのマグネシウム摂取について以下のようにお勧めしています。
便秘症の人が片頭痛の予防との一石二鳥を狙って、酸化マグネシウムを選択するのはあり。
マグネシウム不足は片頭痛の原因になりそうだが、過量に摂取したからといってより頭痛が改善するものではなさそう。
便秘でない人がわざわざ飲んだり、推奨された用量以上に内服するのはやめた方が良い。
僕は過去にコエンザイムQ10やビタミンB2についてまとめていますが、それらに比べるとマグネシウムはややオススメ度は低いです。
なぜなら、コエンザイムQ10やビタミンB2は飲みすぎても特に問題が起こりにくい成分だからです。
それに比べると、マグネシウムの過剰摂取は健康被害を生む可能性がありますので、特に高齢の方はしっかりとかかりつけ医に相談しながら内服してくださいね。
ついでにコエンザイムQ10とビタミンB2の記事もリンクを貼っておきます。
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