アルコールと睡眠薬

「お酒と睡眠薬は一緒に飲まないように」ってお医者さんに言われたことはありませんか?医者に言われなくても何となく分かるよ、って感じかもしれませんが、ちゃんと理由があるんです。

それは「呼吸が止まっちゃうから」です。

「怖えよ」って思うかもしれませんが、極端に言うとそうなんです。お酒飲むと眠くなりますよね?睡眠薬飲んでも当然眠くなりますよね?それはアルコールと睡眠薬の作用が同じようで違う機序で眠たくするからなんです

ここで前提として押さえておきたい知識として「アルコールも睡眠薬も神経を抑制するので眠くなる、キマりすぎると呼吸抑制が起きる」という事です。

アルコールと睡眠薬の同じところ

それは作用する神経の受容体が同じ

アルコールも睡眠薬もGABA A受容体って受容体を介して神経抑制を行っているので眠くなるって点が同じところ。だから併用するとお互いの代謝が遅くなって神経抑制の作用が遷延されるので、呼吸抑制が起きやすくなるんです。

アルコールと睡眠薬の違うところ

それは作用する脳の部位が違う

アルコールは脳幹網様体賦活系を抑制させるはたらきがあり、ここが刺激されることで大脳皮質(外側)に活動電位を送って覚醒状態を保っています。
睡眠薬は大脳辺縁系(内側)の活動を抑制することで睡眠効果が得られる。
大脳皮質は知的活動の中枢で、ヒトで発達している部位。脳みその外側にあるイメージ。一方で大脳辺縁系は感情の中枢で、ヒト以外では大脳のほとんどがコレといわれている。脳みその内部にあるイメージ。
難しく言いましたけど、要はアルコールと睡眠薬が作用する脳の部分が違うので、併用すると別々の脳から神経抑制(呼吸抑制のリスク)されてしまうという事です。

アルコールと睡眠薬は似ているところと違うところがあるから併用は注意しなきゃですね。酒飲んで眠剤飲んでぐっすりなご家族のいびきが最近ひどくなってきた、とかありませんか?

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