糖尿病と運動療法
糖尿病の治療に運動療法というものがありますが、なぜ運動することが糖尿病の改善につながるのでしょうか。
「カロリーを消費するから」とお考えの方もいるかと思いますが、それは間違いではありませんが正確な理解ではありません。3kmのジョギングで消費されるエネルギーは180kcal程度です。コンビニおにぎり1個にも相当しません。でも、3km程度のジョギングを継続すれば確実に糖尿病は改善します。なぜでしょうか?
糖尿病という病気は「インスリンが足りない、もしくはインスリンが効いていない」のいずれかが原因となっています。インスリンとは膵臓から分泌されるホルモンで、高血糖時(食後)に多く分泌され、血中の糖(グルコース)を細胞内に取り込む働きをしています。作用する臓器は主に筋肉、脂肪細胞、肝臓であり、、、
ここまで読んで「あー、やっぱり医者の話は分かりにくいしめんどくせえ!糖尿病の人はダイエットしろって話でしょ?」と思われた方、もう少し頑張って読んで下さい!できるだけわかりやすく書きますし、僕は医者の話が嫌いで、嫌々言うことをきいてる(もしくは言いなりになってる)患者さんに自分の病気を理解して自分で治す意識を持ってほしいだけなんです。
ざっくり言えばインスリンは
①筋肉に血中の糖分を吸収させて血糖値を下げる働きをしており
②糖尿病の患者さんはインスリンが効きにくい状態になっています。
筋肉は血糖を取り込んでくれる
①は何となく分かると思います。運動すれば「筋肉量が増える=糖の取り込み先が多くなる」って事ですもんね。糖分を蓄えておく袋が多くなるイメージでしょうか。糖尿病の人に運動が必要な理由は、カロリーを消費するためではなく、筋肉量を増やすためなんですね。
運動はインスリンの効き目を良くする
②と運動の関係はどうなっているのでしょう?結論から言えば運動をすればインスリンが効きやすくなるんです。
持続的な筋収縮は一酸化窒素を産生し、グルコース輸送体である「GLUT4」を活性化させるようですよ。同じ筋肉量を持つ長距離ランナーと重量上げの選手では長距離ランナーの方がインスリンの効きが良いとの論文もあるようですよ。「持続的な筋収縮」というところがポイントのようですよ奥さん。
以上のダブルの作用により運動が糖尿病を改善する事はご理解いただけたかと思います。結局「ジョギングとかしなさい」って話なんですけど、理由も分からずに「痩せなさい」「運動しなさい」って言われるよりモチベーション上がりませんか?「医者に言われたから」で良いんですかね?
※以上の内容は2型糖尿病に関するものであり、1型糖尿病や基礎疾患に伴う糖尿病に関する記事ではあせん。
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