ジンクス

皆さんはジンクスを信じますか？
よくあるジンクスには晴れ女やら雨男なんてものもあります。
信じる信じないは別として、皆この手の話は好きですよね。

医療業界にもジンクスというものはあり、中でもあるあるなのが
救急外来とかで「今日は平和だといいね」って誰かが言うと救急車めっちゃくる
というものがあります。

僕も大学病院勤務時代に当直していた先輩に「お前が「平和だといいですね」とか言うから忙しい当直になったじゃねえか！」と結構本気で怒られた事もあります。
大変だった当直を誰かのせいにしたいって事なんですけど、言われた方も言った方もなんかモヤモヤするなあ、って思ってたんですよ。

そこで出会った論文がこちら。

この論文は、ある救急病院の朝のカンファレンスで指導医に「今日は平和だといいね」って言われた研修医と、言われてない研修医のその日の忙しさを比較した論文なんです。顔文字とか入ってるけど、PLOS Oneっていうインパクトファクター3.2くらいのちゃんとした雑誌に載っているちゃんとした論文です。面白いでしょ？文頭にあげたジンクスをマジメに検証しようとしてるんです。

結果は2群間の忙しさに有意差はなし。つまり、「今日は平和だといいね」って言っても言わなくても忙しさは変わらないよって事。

この論文の好きなところは目的に

ジンクスが否定された場合は、指導医と研修医でより良い会話ができることが期待される

って書いてあって、結論が

指導医からの激励コメントは、救急部門で働く研修医の仕事量への不吉な効果は最小限であった

ってなってるところ。

たぶん著者は僕みたいに忙しかったのを自分のせいにされてモヤモヤした経験があったのでしょう。そしてそんなジンクスはないって事を検証したかったんでしょう。著者にはお会いしたことはないですけど、なんだか友達になれそうです。

みなさんの職場にもにたようなジンクスなどありますか？あったらこの論文を引き合いに出してみても良いかもしれません。