見出し画像

なくなっていい病院なんてない。

病院経営を取り巻く環境はは依然厳しい状況が続いています。各種調査では全国の病院の7割は赤字経営と言われており、地方・公立病院ではその傾向が顕著です。
日本の病院の約7割、診療所では8割が民間(個人・医療法人)であり、経営悪化は即事業停止、すなわち閉院につながります。2021年の医療機関の休廃業・解散・倒産件数は600件に上り、2016年以降も増え続けています(帝国データバンクより)。
医療機関が診療を休止する理由はさまざまですが、少子高齢化や地方での過疎化による診療圏の人口減少は大きな原因となりますし、国の社会保障費・医療費抑制の流れもあり、この状況は今後も当面は継続すると考えられています。

そんな厳しい環境の中でも病院を運営していくために、私が大切だと思うことは、
 
「昨日できていた診療が明日も明後日も来年もできていること」
 
つまり医療の「継続性」です。
 
厳しい経営状況の医療機関でも、受診する患者様がおり、その医療機関で働く医療スタッフがいます。地域医療を支え、雇用の場でもある病院・診療所は地域のインフラです。経営が赤字だからといって簡単になくすことは出来ません。
 
そのためには、どうやって地域の医療ニーズに応えていくか、医療のみならず、介護・福祉・予防医療の観点から自院の強みをどのように出していけばいいのかを各医療機関が必死に考えていく必要があります。
時には、自院単独でその地域の医療提供を続けることが難しい場合、当該地域での医療機関の中でそれぞれの特性を生かしながら連携を図っていくことも考えていく必要があります。
 
将来に向けた安定した質の高い医療を提供していくために、厳しい経営環境の中でも生き残っていくための創意工夫や戦略が求められていると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?