【数学・網羅系参考書】Focus Goldの使用法

1.はじめに


Focus Goldは、市販されている数学の網羅系参考書の中でも最も網羅性が高く、当塾でも入塾時に生徒が網羅系参考書を持っていない場合、こちらの参考書を指定するようにしています。

複雑な計算に関して飛躍がみられることはなく、解答解説のページに必ず注記してあります。これがあるために、生徒が独学しやすいつくりとなっています。

2.具体的な使用法

(1)例題を解く。
まず、例題に取り組み、瞬時に回答が導ける問題か否かの仕分けを行います。瞬時に解法が思いついたものは◎、少し考えて解けた場合は〇、計算ミスがあったり、理解しきれていないけど何となく正解したものは△、解法が思いつかず正解を導けなかった問題には×をつけます。

周回する際は、基本的に◎と〇がついた問題はスキップし、△と×がついた問題に取り組みます。

(2)練習問題を解く。
例題を解いたら、次は練習問題に取り組みます。網羅系参考書では「例題だけできればいい」と唱える方も多いですが、例題を解くのに必要な知識や発想だけでは解けない練習問題も掲載されています。
例題で習得すべき知識が本当に身についたかを確認するためだけでなく、全国のライバルに差をつけられないためにも必ず練習問題に取り組んで、例題を解いたときと同様に問題の仕分けを行ってください。

この作業を進めると、最初のうちは例題に×がついた一方、練習問題には◯がついたというケースも多いかと思います。そうした場合は、復習時は×がついている例題だけやればよい(例題の知識だけで解ける練習問題だから)ので、復習効率を高めることができます。

(3)Check!問題を解く。
各単元内の区切りごとにCheck!問題が用意されています。こちらも普段の学習時に取り組み、仕分けを行いましょう。実際に出題された入試問題が使われていたり、例題・練習問題だけの知識+αの発想力を要求する問題が多く掲載されています。

Focus Gold使用者でも、なぜか手を付けない生徒が多いのですが、手を付けないと全国のライバルに経験値で差をつけられてしまう可能性があることに留意しましょう。

基本的には(1)~(3)を繰り返し、◎や〇が占める割合を増やしていきます。

3.具体的な周回方法

(1)例題、練習問題、Check!問題の★1・2のものを8割程度◎&〇が占めるようにする。
★1・2は教科書レベル&教科書冒用問題集レベルです。土台となる部分なので、しっかりと固めます。

(2)例題、練習問題、Check!問題の★1・2・3のものを8割程度◎&〇が占めるようにする。
★3の問題は、入試で問われる典型問題です。教科書レベルから1段階レベルが上昇し、かつ★3の問題が占める割合も3割以上ありますので、最も習得に時間がかかるフェーズとなります。ここで踏ん張ることが入試攻略において重要です。

(3)全ての例題、練習問題、Check!問題を8割程度◎&〇が占めるようにする。
★4の問題も、実は殆どが入試で問われる典型問題です(一部例外的に難しい問題があり、当塾では生徒の志望校に合わせてスキップするか取り組むかを指示しています)。ここまで固めることで、志望校の入試問題で問われることがFocus Goldで身に着けた内容であるということを体感できます。

なお、章末問題とチャレンジ問題については、個々の生徒の状況によってスキップすべきか取り組むべきか大きく異なるので、ここでは取り上げません。

4.おわりに

数学の成績を高めるうえで最も重要なことは、典型問題の解法を網羅的に習得することです。典型問題の解き方が身についていなければ、複合的な論点がポイントになる問題には手も足も出ないことになります。
入試において、Focus Goldの典型問題にどうやっても還元できない問題については、他の受験生も対策できていない問題であるため、正答率が極端に低いものとなります。
よって、合否には関係しないので、捨ててよい問題だと判断できます。

また、大学受験に限らず相対評価によって合否判定がなされる試験では、他の受験生が解ける問題で確実に得点することが必要です。よって、典型問題での失点が許されないため、市販の網羅系参考書で最も問題のカバー範囲が広い本書は、試験において心強い味方になります。

問題数が多く、学習負担の大きい教材であることは確かですが、難関大学を狙う受験生は確実に消化しておきたい問題集です。

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