見出し画像

高額な私立医学部に進学し、果たして将来元が取れるのか?

既知の通り、医学部は国立、私立に大別出来ます。両者間で大きく異なるのは学費です。

私立医学部の学費は、概ね2000〜5000万です。

非常に高額で、一般家庭で中々工面が出来ません。

こんな高額の学費を払って、やはり将来のリターンは大きいのでしょうか?

今回は私立一般大学を卒業したAさんと、私立医学部を卒業したBさんを比較し、大学の学費を投資と捉えて検証しようと思います。



Aさん:大学の合計学費500万円である4年制の私立大学卒後、一般企業に勤務し年収600万円

Bさん:大学の合計学費3000万円である6年制の私立医学部卒後、民間病院に勤務し年収1400万円


①学費を卒後何年目で回収出来るか

Aさんの場合

給与所得控除:600×0.2+44=164(万円)
課税所得:600-164=436(万円)

所得税:436×0.2-42.75=44.45(万円)

住民税:436×0.1=43.6(万円)

可処分所得:436-(44.45+43.6)=347.95(万円)

可処分所得の1/3を毎年貯金するとして

年間貯蓄額は、347.95÷3≒116(万円)

大学学費は500万円なので

500÷116=4.31 

つまりこの条件だと4.31年で大学学費を回収出来ます。

しかし上記条件は、各種控除は一切考慮しておらず、可処分所得の貯金率も人によって異なります。それらを考慮しても、概ね4〜6年で回収出来るでしょう。


Bさんの場合

給与所得控除:195(万円)
課税所得:1400-195=1205(万円)

所得税:1205×0.33-153.6=244.05(万円)

住民税:1205×0.1=120.5(万円)

可処分所得:1205-(244.05+120.5)≒840.5(万円)

可処分所得の1/3を毎年貯金するとして

年間貯蓄額は、840.5÷3≒280(万円)

大学学費は3000万円なので

3000÷280≒10.7

この条件だと、10.7年で 大学学費を回収出来ます。

先述の通り未考慮の項目があるので、大体9〜12年くらいでしょうか。


つまり大学学費の回収は、Aさんと比べてBさんの方が圧倒的に時間がかかります。

参考にした、給与所得控除と所得税の変化についての表です。


②生涯貯蓄額

Aさんの場合

収入は一定で、就職が22歳で65歳の定年まで働くと仮定します。

生涯貯蓄額:116×(65-22)=4988(万円)

Bさんの場合

収入は一定で、就職が24歳(医学部は6年制なので)で70歳(医師は定年がないため)まで働くと仮定します。

生涯貯蓄額:280×(70-24)=12880(万円)


生涯貯蓄額は、Bさんの方が圧倒的に勝っています。


③Bさんは何年間働けば、Aさんに収支で勝ることが出来るか

労働年数をXとします。

Aさんの収支は116X-500(万円)、Bさんのそれは280X-3000(万円)と表すことができます。

③の質問に回答するには

280X-3000>116X-500 (万円)

を求めれば良いです。

計算すると

X>15.2439....

となります。

つまり大体15〜16年働けば、Bさんは収支でAさんに勝ることが出来ます。


①、②、③から言えること

卒後15、16年以上医師として働ける、つまり健康でいられる自身があるのであれば、高額な私立医学部に入学する価値は大いにあると思います。極論、借金して子供を私立医学部に入学させるのも、金銭的に大いに得策です。


最後に、

Bさんが3000万円の私立医学部で6回留年した、つまり12年在籍した場合。

学費:3000÷6×12=6000(万円)

①の式より、6000÷280≒21.4

学費回収に21.4年かかります。

6回留年したということは、現役で大学に入学したとしても30歳なので、51.4歳の時にやっと収支プラスマイナスゼロになります。

私立医学部で留年は避けるべきですね・・

PS
細かい計算間違ってたらごめんなさい💦


写真は、奈良県の橿原神社です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?