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Flying

Here I am
I'm on my own
For the first time really on my own
So will I make it,will it work alright?
Can I make it through the night?

And I go - Oh Uh
I am Flying
Oh,in open space

And evrything beneath me seems to fade
Without a trace ,without a shade

And I go...

【和訳】(野村伸昭)
僕は一人きりで ここにいる
生まれて初めて 本当に一人きり
うまくやれるだろうか 大丈夫だろうか?
この夜を切り抜けられるだろうか?

そして僕は行く 僕は飛んでいる 広い大空を

下に見える物はどれも 今にも消えてしまいそうだ
跡形もなく 影さえ残さず

そして僕は行く・・・
("Flying",nice little penguins)

 この”FLYING”の日本版が発売されたのは1995年のこと。
The CardigansやらEggstoneなどの北欧ポップ全盛期の頃で、nice little penguinsもデンマークのバンドということで、そこそこ注目されていた。

 おそらく、当時、試聴コーナーで”FLYING”を聴いたギターポップ好きは、そのイントロのウクレレ音を聴いて、心の中で拍手喝采を贈ったのではないかと思うほど、インパクトのあるイントロと親しみやすいメロディーが印象的であった。

 この歌に関しては、単なる好き以外の感情があったりする。

 と 言うのも、この曲が発売されたころ、私は大学を卒業して社会人になったばかりのことなのだ。

人付き合いがそれほど上手ではなく、また活動的な性格では無いため、会社という新しい環境に馴染めず、かなり鬱屈した日々を過ごしていた。

 おまけに職場で初めて配属されたところは営業職で、人見知りする私に、そんな所は過酷過ぎた。胃が痛くなる思いで、外回りする日々が続く。それでも、仕事はとれず、自分は心底駄目だと思っていた時に、この歌に出会った。

 簡単な英語と単純なメロディーだったので、私は、この歌をすぐに憶え、日々口ずさんだ。歌詞とメロディーは私を慰め元気づけてくれた。

「空を飛ぶことは難しいことではない 最初の一歩を踏み出すことが難しいんだ」

 この歌は、そう歌っているように感じた。この言葉は、半分正解で半分間違いであると思う。
 実際のところは「空を飛ぶことは難しいけど、最初の一歩を踏み出せたなら大丈夫なはず」が正確な答えだろう。

 状況変化に順応するのが最も難しいのは確かだけど、現在の状況を維持していくのも大変だったりするのも常である。

 それでも、その最初の一歩を過ぎれば、その後は案外楽だということは確かだ。一番、辛い時をやり過ごしたという自信が支えてくれる。

 私の場合は、最初の一歩はホント偶然のようなものだった。
 勤務して1年、ほとんど仕事はとれず、自分は社会人には向いてないと思っていた時に、飛び込みで入ったところで大口の契約を取ることができた。

 それ以後はとんとん拍子とは言わないが、苦労したなりの成果を挙げることが出来た。

 初めて仕事が取れた時の、あの時の喜びは、今でも忘れられない。

 これから社会人になろうとする人も多いだろう。
 それを不安に思っている人も、こんな状況でなくても、それなりにいるのであろう。

 大丈夫。私みたいな社会不適応者と言ってもいようなダメ人間でも、そこそこにやっている。心配することはない。

 一人きりでも空は飛べる。
 そして、その不安なんか、通り過ぎてしまえば、ホントに影さえも見えないちっぽけなものだ。

 そして、また次の空を目指す。そうして日々はつながっていくものだ。 

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