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書評「勁草(けいそう)」

こんにちは、サカモトです。

今回は、こちらの本の紹介です。「勁草(けいそう)」です。

こちらの本は、今度は9月26日に公開を予定している映画「バッドランズ」の原作です。この映画の監督は、原田眞人監督が務めています。

原田監督の映画はジャンルが多彩で、「関が原」や「燃えよ剣」といった時代劇から「検察側の罪人」や「わが母の記」などの硬派な現代劇まで幅広く撮影しています。

その時の流行に背を向けた骨太の内容で、公開されたら作品を必ず見に行こうと思う監督の一人です。そういうわけで映画の原作の本作を読んだわけです。

オレオレ詐欺の受け子と言われる詐欺の被害者から金を受け取る役割を担うのが本作の主人公です。主人公は、冷静沈着で、少しでも危険を感じたら、お金を受け取るのをやめたりします。

そんな男が、ある日、感情のままに動く矢代とコンビを組んだことをきっかけに、とんでもないことに巻き込まれていくという話です。

ピンチを冷静に切り抜ける様子と追いかけられる刑事たちから逃げていく様子がとても面白いです。


暴対法が施行されてだいぶ経つので、もはやヤクザという存在がもはや目にすることはほとんどないのですが、本作はヤクザまでいかないのですが、半グレみたいな存在が逆に新鮮でした。

騙すとか、搾取されるとか、そういうエグい世界は体験したことないのですが、そんな緊張感のある関係が読んでてエグさを感じました。

それと、会話のテンポがいいので、途中からは引き込まれて一気読みしました。これは映画が楽しみです。

小説は男二人が主役ですが、映画は安藤サクラさんと山田涼介さんの男女二人が勤めるようで、それがストーリーにもどんな影響するのかも楽しみの一つです。

あとは、オレオレ詐欺の実行犯がどのように詐欺を働いていくのか、その実態(?)も具体的に書いているので、そういう意味でもためになります。

多くの人にオレオレ詐欺は自分には関係ないと思っていると思いますが、そういう人に限って騙されるといいますからね。知っておいて損はないんじゃないかな。

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