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日本の組織はどうして非を認められないんだろうか「かぼちゃの馬車事件」

こんにちは、サカモトです。

今回は、こちらの本「かぼちゃの馬車事件」についての紹介です。

この本は読んでて怖くて、震えが止まらなかった。ある意味、現代版のホラーとも言える話じゃないだろうか。

そもそもかぼちゃの馬車事件とは

そもそも、かぼちゃの馬車事件のことを御存知でしょうか。4,5年前にかなりニュースで賑わしていたので、名前くらいは知っていましたが、どんな事件なのかよく分かっていませんでした。

どんなスキームだったのかというと、ざっと次の通り。

  • 作者のようなサラリーマンが銀行の融資を受けて地方から出てきた若い女性向けのシェアハウスを建てる

  • そのシェアハウスを管理会社にリースし、管理会社は地方から出てきた若い女性に貸し出す

  • 管理会社は貸し出した賃料を元手にリース料として支払う。

シェアハウスを建てる際に組んだローンの支払いよりも管理会社から入るリース料がよく、老後資金を貯めるためにはいい投資となるというような説明を受けるわけです。

しかし、内実は次々とシェアハウスを建てることで得たお金をリース料に回すという自転車操業的なスキームになっていて、次から次へと契約できているうちはいいんですが、うまくお金を回せなくなり、リース料が滞って、実態が明るみに出るわけです。

そして、このスキームにスルガ銀行という地方銀行が一枚噛んでいるというところが重要な点であり、怖いところだったりします。なんかおかしいと思っても、銀行が、審査を通すわけだから、大丈夫だろうと考え、みんな騙されていったようです。

この本の作者

この本の作者は、この詐欺事件の被害者であった張本人です。家電メーカーに勤める中間管理職だったということなので、普通のサラリーマンですね。それが、友人のつての営業マンからの話を聞いて、その気になり、驚かそうと奥さんに黙って契約までしていたら、なんと実は詐欺だったと分かります。

読んでて、人ごとではない気がしました。このスキームではなくても、営業電話は以前しょっちゅうかかってきていたので、なんらかのタイミングなり、偶然が重なれば、詐欺の餌食になっていたかも知れません。そういう意味で読んでてすごい苦しかったです。

苦しい戦い

管理会社はすげない対応で、取り付く島も無い状況、銀行の対応もそっけない、弁護士等に相談しても、自己破産するしか無いですね、というような対応で、全然味方がいない状況です。

そこから、優秀な弁護士と出会い、アドバイスをもらいながら、被害者団体を立ち上げ、その代表者として様々な活動を通して、銀行を相手に戦ってきた経緯がこの本の中で生々しく書かれています。

特に、詐欺だと分かって、莫大な借金を背負うことが分かって、絶望し、死ぬことや妻との離婚も考えたりするところはなんとも言えず、一番苦しくなtたところです。

被害者団体と言っても、境遇や状況は一人一人違うわけですし、銀行側からの妨害なんかもあって、中々一つにまとまりませんが、時間を経つごとにリーダーとして振る舞うようになる様子が描かれています。

日本の組織のあり方はちょっとおかしい

この事件は、銀行側から借金帳消しを勝ち取るという異例の結果となりましたが、それにはいろいろな幸運があったからですね。
幸運なこととは

  • まずは、被害者の中で泣き寝入りせず、諦めずに戦おうとした作者の存在があったこと

  • 数百名からなる被害者団体を立ち上げることができたこと

  • 経験豊富な優秀な弁護士に出会えたこと

  • 中心的なメンバー20名の団結が良かったこと

などがあると思います。こうしたことがなければ、おそらく泣き寝入りし、人生を破綻させていく人が大勢出ていただろうと考えられます。
そして、こうした幸運があっても、2年以上の時間をかけてようやく決着を見るわけです。

状況証拠においては、明らかに銀行や管理会社の仕業だと分かっているのに、中々決着を見ることができないわけです。

前に紹介した映画「Winny」でも思いましたが、日本の組織は何かおかしいと言わざるをえないです。間違ったことをしたら、間違ったことを認め、謝罪すべきだと思うんですけどね。

これはどうしたらいいんでしょうかね?


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